公開日 2004.01.23、更新日2004.08.16 
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【「生活習慣病という用語】

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「成人病(がん、心臓病、脳卒中、糖尿病など)」という呼び名は1956年頃から当時の厚生省が使い出した行政用語である。「40歳前後から死亡率が高くなり、全死因のなかで高位を占める働き盛りに多い疾患」と定義されていた。しかし、「成人病」の発症原因が食事、運動、休養、喫煙、飲酒と関わり合いが深いことから、予防を重視した対策として、名称を「生活習慣病」と変更した。「生活習慣病」は、「食習慣、運動習慣、休養、飲酒習慣、喫煙習慣などの生活習習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されている。
  「成人病」という言い方は、「歳を取るとなってしまう病気で、誰もが歳を取るので仕方がない」という考えに導かれやすい。一方、「生活習慣病」という言い方は、「よい生活習慣を維持できれば、予防できる病気」と積極的な対策に繋がる呼び名である。

 定義文どおりに考えれば、「がん」、「高血圧」、「心臓病」、「脳卒中」、「糖尿病」、「高脂血症」以外にも、「骨粗鬆症」、「痛風」、「腰痛症」、「肥満症」、「脂肪肝」、「胃潰瘍・胃炎」、「肺気腫・慢性気管支炎」、「歯槽膿漏」、「変形性関節症」などもこの範疇に入るはず。生活習慣がからんだ大人の病気はとても多い。

 生活習慣病は、生活習慣のみならず、個人では対策が立てにくい、遺伝や環境の影響もあり、生活習慣の改善だけで病気をなくすことはできない。しかし、生活習慣を注意することで、かなり病気やその合併症を減らすことができるのも事実である。

 2001年厚生労働省の第五次循環器疾患基礎調査では、30歳以上の半数以上は、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満症のいずれかがあり、日本人の死因の6割は生活習慣病であるため、これを無視しては健康的な社会生活を維持することはできない。惰性に流されることなく、いま一度、自分の生活習慣の見直してはいかがでしょう。

生活習慣病の疾患別患者数(2002年厚生労働省調査)