【ペースメーカーの解説】 公開日2005.09.22 更新日2005.10.05 更新履歴   HOMEへ(メニューを表示)  メニューを隠す
このサイトの記事はあくまでの参考に留め、治療方針は診療医師と相談して決めてください。
01)ペースメーカーとは何?
02)ぺ一スメーカの構造
03)ぺ一スメーカーの働き


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02:ぺ一スメーカの構造

 ペ一スメーカーは電池と電気回路を組み合わせた電気パルス発生器(ジェネレーター:図A)とこれに電気刺激を心臓へ伝えるために接続したビニルで覆われた細長い電極(リード:図B)からなっている。 ジェネレーターから、1本または2本のリードが出る。
図A:ペースメーカー本体(ジェネレーター)
 ジェネレーターの外装は頑丈なチタンでできている。安全のため内部の液が漏れないように完全に厳重に密閉されている。その内部には電池と電気回路を組み合わせた発振器(ジェネレータ)が組み込まれている。
 ぺ一スメーカの種類にはさまざまなものがあり、患者さんのからだの要求に合う性能を持つ機種が選択されている。
  重量は20g程度で、赤ちゃんの手のひら程度の大きさである。電池の寿命は5年〜8年くらいが多い。 小さいものはその分電池部分が小さく、長持ちしない。また、多機能だと消費電力が大きくなり、電池が長持ちしない。
上段の2機種はリードが1本のタイプ、下段の機種はリードが2本のタイプ
 写真は日本メドトロニクス社提供のサンプルを当院で撮影したものです。
図B:ペースメーカー本体(ジェネレーター)のレントゲン像
リード1本のタイプ(心房または心室をセンシング※とペーシング※ができる)。多くはVVIと呼ばれるペーシングに使われる。 リード2本のタイプ(心房と心室の両方をセンシングとペーシングできる)。DDDと呼ばれるペーシングに使われる。 リード1本のタイプ(心房はセンシングのみ、心室はセンシングとペーシングできる)。1本のリードの中に2本分がはいっている新しいタイプ。VDDと呼ばれるペーシングに使われる。

 本体の約半分の真っ白の部分はリチウム電池である
※センシング

  心房または心室が自発的に動き出す時の電気を感知すること。感知した場合はペ一スメーカーから電気インパルスを送り出す必要がないので、電気インパルスを出すべきか、否かの判断する情報となる。
※ペーシング
 ペ一スメーカーから心筋(心房筋または心室筋)へ短い電気パルスを送り出すこと。

図C:電極(リード)
 図Cは心室に挿入するリードのサンプルである。電極(電線)は1本ないし2本である。2本の場合は右房と右室に電極の末端がくるように設置する。1本の場合は右房または右室に電極の末端がくるように設置する。
 リード全体はビニルのような絶縁体で被われており、その先端は金属の電極で、心臓の筋肉に接している。リードはラセン状の複数のコイルからなり、極めてしなやかに屈曲しやすくなっている。また、中空となっており、ここにやや硬い鋼線を挿入できるようになっている。リードの先端を心臓内の目的地へのもってくるのに使う。
  先端の電極がずれないように、船の錨(いかり)のような羽状のものが先端近くについている。 一部のものはリードの途中(右房に接するあたり)でも金属の電極がある。

黄色の部分をクリックすると拡大される。
 写真は日本メドトロニクス社製品を撮影したものです。

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2005.10.5解説文修正