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公開日2006.8.05 更新日2007.4.6  HOMEへ  メニューを隠す  前へ 次へ
 これらのツールは、心臓病予防や高脂血症の治療にあたる医師向けに作成されたものです。結果の解釈には十分な医学知識が必要ですので、十分な冠動脈疾患予防の知識を持った医師と相談下さい。ツールの利用により生じたいかなる結果に対しても当院は責任を負いません。


欧米人のためには、「冠動脈10年リスク予測ツール」があります。これを元に高脂血症の治療効率を求めるプログラムは作成しました。しかし、日本人での同様なプログラムがなく、そのかわりにJ-LITチャート(1)から同様なプログラムを作ってみました。原理は同じですが、元となる冠動脈疾患発生リスク一覧表自体に大きな問題があります。つまり、対象者全員が高脂血症治療薬を内服していること、家族性高脂血症という遺伝的に心筋梗塞になりやすい患者の割合が一般住民よりもはるかに高いと考えられる点です。
  そのため、LDLC180-200mg/dlでは家族性高脂血症患者の影響を受けて、心筋梗塞・狭心症の発生率がそうでない場合に比べて、かなり高くなっていると考えてください。逆に、LDLCが100-120mg/dlでは家族性高脂血症が少なくなっているものと推測されます。この範囲では一般住民の発生率に近いと考えられます。J-LITの資料は、いろいろと問題の多い資料なので、かならずFramingham heart studyをもとにした「冠動脈10年リスク評価ツール」や日本人の発症率を米国人の1/3と仮定した「冠動脈10年リスクから治療効率(NNT)を計算するツール」と併用下さい。
 このソフトの演算機能を使って、性別、年齢、喫煙、血圧、高血圧治療、総コレステロール値、HDLコレステロール値 から6年間で心筋梗塞・冠動脈死・狭心症になる確率を求めます。2つの条件下での6年リスクの差から、生活習慣改善または治療による危険因子の変化がどれくらい影響するか、治療効率を計算し、一般的な評価期間である5年間に換算します。単純に冠動脈疾患の危険度を評価するツールは以前に発表しています。こちらもご利用下さい。なお、利用にあたってはMicrosft表計算ソフト Excelが必要です。ソフトを開くときにでる警告では、マクロを有効にすると印刷ボタンが利用できます。マクロを無効にすると印刷操作が通常の手動となります、他の機能は同じです。 

●日本人の冠動脈6年リスク(J-LITチャート1)から治療効率(NNT)を推測するプログラム 2006.8.7更新

☆NNT-J-LIT1-1.7m.xls(MACOS9.1用)492KB (マクロあり)(非圧縮276Kbites) ダウンロード2006.08.05改訂

☆NNT-J-LIT1-1.7w.xls(Windows用)
492KB (マクロあり)     ダウンロード
428KB (ZIP圧縮、マクロあり)ダウンロード    
  2006.08.07改訂

●利用時の注意
・日本人約5万人×5年間の観察調査J-LIT(日本脂質介入試験)チャート(1)がもとになっています。
・全員がリポバスというLDLコレステロール低下薬を内服しています。
・家族性高脂血症という心筋梗塞・狭心症にとくになりやすい患者が多数含まれています。 このような患者はリポバス内服だけではLDLコレステロール値が正常値まで低下しないことが多くみられます。
・ 現在、冠動脈疾患、それ以外のアテローム動脈硬化症(末梢血管障害、腹部大動脈瘤、症候性頸動脈疾患)のない人が対象です。
・商業目的でなければご自由に配布・利用下さい。
・計算にはJ-LITチャート(1)の一覧表の数値をそのままを使ってNNTを計算しています。詳細はプログラムの解説をお読み下さい。

【解説】
●はじめに
  このプログラムを利用すると、「冠動脈疾患の発症リスクが、年齢、性別、血圧、HDLコレステロール値、喫煙の有無などの総コレステロール値以外の複数の因子を考慮しないと評価ができない」ことがよくわかります。別の言い方をすれば、「総コレステロール値よりも年齢、性別、血圧、HDLコレステロール値、喫煙習慣の有無の因子のほうが、はるかに重要」ということが見えてきます。
   冠動脈疾患危険群の患者さんが食事、運動、禁煙などの生活習慣の見直しの発端となり、また医師の高脂血症診療の一助としてこのプログラムを利用していただければ幸いです。
 入力部分を簡単にするために入力インターフェースでは、Visual Basic for Applicationを利用しました。ソフトを開くときにマクロを有効にしてください。なお、マクロウイルスが混入しないようにこのホームページから直接ダウンロードしたものか、信頼できる筋からのコピーを使ってください。

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作成者:前田敏明(まえだ循環器内科) 2006年8月