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公開日2004.02.26 更新日2004.06.6  HOMEへ  メニューを隠す   前へ  次へ
 これらのプログラムは、もともと心臓病予防や高脂血症の治療にあたる医師向けに作成されたものです。結果の解釈には十分な医学知識が必要ですので、十分な知識を持った医師と相談下さい。ツールの利用により生じたいかなる結果に対しても当院は責任を負えません。


冠動脈10年リスク評価ツール」は「週刊朝日(2004年3月12日号)」で紹介されています。
 性別、年齢、喫煙、血圧、高血圧治療、コレステロール値 から10年間で心筋梗塞になる確率を求める。Microsft Excelが必要。ソフトを開くときにでる警告では、マクロを有効にして下さい。 
●1)冠動脈疾患10年リスク評価ツール(2001年ATPIII発表)2004.3月週刊朝日で紹介

☆冠動脈10年リスク評価ツール: Windows版 2.61(zip 148Kbites)   DOWNLOAD  2004.06.06改訂

☆冠動脈10年リスク評価ツール: Macintosh版 2.61(非圧縮220Kbites) DOWNLOAD  2004.06.06改訂
★ATPIIIのオリジナルのExcel sheet 2004.2.20リンク再確認

●利用時の注意
・ ATPIII 2001年発表資料です。
・米国の同一集団の長期観察調査Framinghan heart study※が元になっています。
 (※ボストン郊外にあるフラミンガム地方で、一般住民5000人以上が対象となり、1948年以降現在も続いている有名な疫学研究)
・ 現在、冠動脈疾患、それ以外のアテローム動脈硬化症(末梢血管障害、腹部大動脈瘤、症候性頸動脈疾患)や糖尿病のない人が対象です。
・ 10年リスクのカウント対象となる『冠動脈疾患』の範囲には狭心症が含まれず、心筋梗塞と冠動脈死(原文"hard" coronary heart disease outcomes (myocardial infarction and coronary death) in adults who do not have heart disease or diabetes. )になっています。
・喫煙者の定義は過去1ヶ月間に喫煙した人と定義されています。
・商業目的でなければご自由に配布・利用下さい。
・計算にはATPIIIのオリジナルの数式を使っており、当院は有効数字の表示以外変更していません。

【解説】
 2001年5月に米国コレステロール教育プログラム (NCEP)による高コレステロール血症の診療指針が8年ぶりに改訂され、第3次報告(ATPIII:Adult Treatment Panel III 2001)として発表されました。
 ATPIIIでは新たな証拠に基づき、複数の冠動脈リスク因子を有する人に、特に注意を促しています。また冠動脈発症リスクをスコア化し、冠動脈疾患の発症リスクを数値化(相対値ではなく、絶対値化)していることも大きな特徴です。
 その資料は、人種の差があるものの、虚血性心疾患が増えている日本人にも大変示唆に富むものです。しかし、折角の有用な資料も面倒な計算を行う必要があり、「冠動脈10年リスクの計算」を実際の診療に使っている医師の話はほとんど聞きません。このソフトはATPIIIのホームページで提供されたMicrosoft Excel Sheetの演算部分を組み込んで、日本語の解説を加えて、一般の方にも理解しやすいようにしたものです。なお、出所を明らかにする条件で自由に変更したり、配布することが許可されています。
  このプログラムを利用すると、「冠動脈疾患の発症リスクが総コレステロール値だけで決められるのではなく、年齢、性別、血圧、HDLコレステロール値、喫煙などの複数の因子が関連している」ことがよくわかります。
 具体的には、「同じ総コレステロール値270mg/dLでも男女で大きく異なる」、「喫煙の影響は年齢とともに小さくなる」、「HDLコレステロール値の影響は以外と大きい」など、いろいろ示唆に富むデータを示してくれます。
  逆に、「この資料は『米国白人のデータ』に基づく予測であり、日本人のデータではない」ことの限界も理解してください。 ただし、総コレステロール上昇と虚血性心疾患の相対的な増加曲線が、日米でほぼ重なるなど相対的な変化には人種差が見られません。ですから、このプログラムで得られる相対的な変化は人種差を越えて成り立つ可能性が高いと思われます。
  冠動脈疾患危険群の患者さんが食事、運動、禁煙などの生活習慣の見直しの発端となり、また医師の高脂血症診療の一助としてこのプログラムを利用していただければ幸いです。
 入力部分を簡単にするために入力インターフェースでは、Visual Basic for Applicationを利用しました。ソフトを開くときにマクロを有効にしてください。なお、マクロウイルスが混入しないようにこのホームページから直接ダウンロードしたものか、信頼できる筋からのコピーを使ってください。

参考文献 :internet上にonlineで詳しい資料(full paper)が閲覧できます。

The Third Report of the National Cholesterol Education Program (NCEP)
Expert Panel on Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults (Adult Treatment Panel III). JAMA 285(19): 2486-2497, 2001 ) .


●2)旧版「冠動脈10年リスク予測ツール」(98年発表Framingham heart study) ウイルスチェック 2002.10.25
・Windows用エクセルファイルのダウンロード(圧縮 148Kbites):DOWNLOAD
・Macintosh用エクセルファイルのダウンロード(非圧縮 136Kbites):DOWNLOAD 

  【解説】

 注意してほしいこととして、同じ冠動脈リスクと言っても、『冠動脈疾患』の定義が異なっています。以下1)2)の比較を挙げておきます。
1)の特徴
・ 2001年発表資料
・同一集団のデータFraminghan heart studyが基礎になっている。
・2)よりも後の報告なので、データの蓄積が進んでいる。
・ 心疾患や糖尿病のない人が対象
・ 10年リスクの対象となる『冠動脈疾患』には、狭心症を含まず、心筋梗塞と冠動脈死(原文"hard" coronary heart disease outcomes (myocardial infarction and coronary death) in adults who do not have heart disease or diabetes. )としている。
・ 喫煙、総コレステロールのリスクスコアには年齢別のスコア化を採用して、よりきめ細やかな評価をおこなっている。この点では、2002年改訂の日本の高脂血症診療ガイドラインよりも大変示唆に富む資料といえます。

2)の特徴
・ 1998年発表資料
・同一集団のデータFraminghan heart studyが基になっている。
・ 明らかな心筋梗塞の既往者は除外したが、糖尿病は対象者に含まれている
・ 10年リスクの対象となる『冠動脈疾患』に狭心症を含み、心筋梗塞、冠不全=coronary insufficiency、冠動脈死=coronary deathを含む。
・ 喫煙、高脂血症のリスクは年齢別のスコア化を採用していない。

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●プログラム作成後記
 高脂血症治療の最終的目標である冠動脈疾患の予防指針としてATPIIIの高脂血症治療指針をみた場合、ATPIIIもまだまだ研究途上です。
ATPIIIのSummary文の最初に以下の文が記してあります。
『実地臨床家の今までの評価、治療をこれ(=ATPIIIの診療ガイドラインのこと)に置き換えなさいと強制しているのではなく、研究の成果を参考にしてほしい。あくまでも個々の患者の適切な治療を決めるのは医師である。』と控えめな表現です。以上のことを理解した上でこのプログラムをご利用下さい。
作成者:前田敏明(まえだ循環器内科) 2002年10月