インフルエンザ/ワクチンQ&A(詳細解説)
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注意!当院は乳幼児の診察を行っていないため、乳幼児のインフルエンザの話はかなり省略しています。
公開日2002.10.01 更新日 2004.12.08 更新履歴 HOMEへ(メニューを表示) メニューを隠す
記事はあくまでも参考に留め、治療方針は診療医師と相談してください。
インフルエンザ流行状況
、各地の発生状況、各県のABタイプ別発生状2005.02.10リンク確認
01) 今、インフルエンザは日本で流行していますか?
02) インフルエンザは日本のどのの地域で流行っていますか(警報・注意報マップ)?
03) 過去にインフルエンザの大流行があったのはいつですか?
04) 今年のインフルエンザワクチン選定株はなに?
05) インフルエンザは外国のどこで流行していますか?
06)インフルエンザの流行と湿度の関係(絶対湿度から流行を予測する)は?200302.17追記
A:感染症発生動向調査週報をみれば、過去10年と今年の流行具合が分かります。
インフルエンザ流行は12月頃から出始め、1月から2月がピーク、4月には通常終息します。
川崎市立川崎病院院長の武内可尚氏は、小児科医としての経験に基づき、「インフルエンザの流行には、A型単独の場合とA型・B型が混合する場合とがある。同一シーズンにA型とB型両方が流行する場合、決まってA型が時期的に先行する。A型の流行のピークが過ぎてからB型がピークに達する。」と解説している。
国立感染症研究所 感染症情報センターより、 全国約5、000のインフルエンザ定点医療機関を受診した毎週のインフルエンザ患者数が報告されており、ホームページで見ることができます。
インフルエンザ流行状況
2004.10.19リンク確認
A:インフルエンザの流行状態を知るインフルエンザ警報・注意報地図があります。
インフルエンザのシーズン中には、国立感染症研究所感染症情報センターより、 流行の状態を示す地域マップが毎週報告されます。一定の基準値を越えると注意報や警報をだすようになっています。
警 報:大きな流行の発生・継続が疑われる。
注意報 :流行前なら今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性がある、流行発生後ならその流行がまだ終わっていない可能性がある。
参考
○インフルエンザ情報サービス:http://influenza.elan.ne.jp/
○国立感染症研究所感染症情報センター:http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
A:インフルエンザの大流行は、20世紀に4回ありました。
インフルエンザは定期的に大変異を起こし、その都度世界的な大流行を起こしています。「流行が短期間に世界的に拡大し、多数の人々が年齢を問わず感染する状態」をパンデミックと呼んでいます。20世紀には4回のインフルエンザの大流行(パンデミック)がありました。
パンデミックをおこすのはA型です。B型にはありません。
●スペインかぜ● 1918年〜1919年(株種H1N1)
第1次世界大戦の最中、全世界を襲った。推定で世界の人口の約50%が感染し、25%が発症。 死亡者は2,000万人以上。日本では3年間で人口の約半数(2、380万人)が罹患し、
38万8,727人が死亡した。
●アジアかぜ● 1957年〜(株種H2N2)
死亡者はスペインかぜの約1/10。日本では300万人が罹患、5,700人が死亡した。
(注:2002.11.28の朝日新聞では98万人が罹患、7735人が死亡とある。)
●香港かぜ ● 1968年〜(株種H3N2)
全世界で56,000人以上が死亡した。(注:2002.11.28の朝日新聞では日本では14万人が罹患、2,000人が死亡とある。)
●ソ連かぜ ● 1977年〜(株種H1N1)
最近の新型インフルエンザウイルス
○香港でトリインフルエンザ(株種H5N1)1997年
18人が罹患し、6人が死亡。人から人への伝染はなかった (香港のみ)。
○香港でトリインフルエンザ (株種H9N2)1999年
2人が罹患、死亡した人はいなかった (香港のみ)。
注:インフルエンザの罹患数、死亡数をどのようにして求めたかは不明です。
実際のインフルエンザの死亡者数は届け出数の10倍くらいではないかとも言われています。流行時のインフルエンザ死亡数は、推計では日本だけでも毎年10,000人以上と言われています。
A:2004年-2005年の流行予想株は昨シーズンから変更されました。
平成13年度のインフルエンザHAワクチン製造株(2001/2002)
・A/パナマ株/H3N2/香港型(シドニー型に対応できる)
・A/ニューカレドニア株/H1N1/ソ連型
・B/ヨハネスバーグ株(四川型に対応できる)
以上3種を混合したものです。
平成14年度のインフルエンザHAワクチン製造株(2002/2003)
・A/ニューカレドニア株/H1N1/ソ連型
・A/パナマ株/H3N2/香港型
・B/山東株
以上3種を混合したものです。
平成15年度のインフルエンザHAワクチン製造株(2003/2004)
(昨年と同じ)
・A/ニューカレドニア株/H1N1/ソ連型
・A/パナマ株/H3N2/香港型
・B/山東株
以上3種を混合したものです。
平成16年度のインフルエンザHAワクチン製造株(2004/2005)
・A/ニューカレドニア株/H1N1/ソ連型
・A/ワイオミング/3/2003 /H3N2/香港型
・B/上海/361/2002
以上3種を混合したものです。
修正2004年12月08日
A:インフルエンザの流行状態を知る世界ネットワークがあります。
インフルエンザは世界中で流行しますが、温帯地方では冬に(南半球では7〜8月)、熱帯・亜熱帯地方では雨季を中心に流行が見られます。 流行株は国によって若干の差はありますが、大きな差はありません。世界の流行状況は、WHOが運営しているホームページ:FluNet(Global
Influenza Surveilance Network)で知ることができます。
A:インフルエンザは乾燥すると流行しやすくなります。これを利用した予測システムが2003年度から宮城医師会のホームページで始まりました。
インフルエンザウイルスは湿気に弱いウイルスです。多くの場合、日本でのインフルエンザの流行は絶対湿度が11g/m3以下になって始まる。これは空気中に散布されたインフルエンザウイルスが6時間後に5%生存する条件であるという。7g/m3以下で流行する地域(鹿児島、浦和:ウイルスが6時間後に20%生存する条件)、
5g/m3以下で流行が始まる地域(宮城、北海道:ウイルスが6時間後に50%生存する条件)で流行が始まる地域もあるという。
絶対湿度によるインフルエンザ流行予測(庄司 眞医師考案、仙台市内科医師会) | ||
絶対湿度 | ||
11g/m3超 | ●青色 | インフルエンザの流行しにくい湿度※注1) |
11g/m3以下 | ●黄色 | インフルエンザが流行してよい湿度 |
7g/m3以下 | ●赤色 | インフルエンザの流行がよりおこりやすい湿度 |
※注1)この湿度で大きな流行があった場合は、新型、突然変異、地域の免疫度が低いのいずれかが考えられます。 | ||
絶対湿度によるインフルエンザ流行予測の本格運用が2003/2004年期から宮城県医師会のホームページで始まります。 |
参考資料 2003.2.13 Medical tribune