【症状によるインフルエンザの臨床診断(幼児以上)】
公開日 2003.01.20 更新日 2004.01.07 
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個々の病気に当てはまるかどうかは、実際に診療してみないとわかりません。
記事はあくまでも参考に留めてください。

次の4つ症状がインフルエンザ流行時期(12月中旬〜4月上旬)にそろえば、インフルエンザの可能性が高いと考えられます. 
発熱から遅くとも48時間以内に受診しましょう。
 

クリック→ インフルエンザ流行状況各県のABタイプ別発生状
2005.02.10リンク確認
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クリック→ インフルエンザと予防接種の詳細解説

参考資料
  感染と抗菌薬 2002.12月号 インフルエンザ外来2002/2003 

流行期に突然の高熱があれば、まずインフルエンザを疑ってください。 ただし、2003年以降は重症急性呼吸器症候群(SARS)とインフルエンザの症状は大変似ており、症状だけでは区別できません。

質問1:突然の高い発熱がある?       はい   いいえ

  朝は熱はなかったが、夕方に高熱になった。昨晩は熱感はなかったが、朝高熱になったなど。
  多くは38.5度以上となる。高齢者でも38度以上になることが多い。

質問2:強い全身症状がある?        はい   いいえ

  全身倦怠 、全身筋肉痛・関節痛などの全身症状がある場合、子供ならぐったりしている。

質問3:周囲でインフルエンザの人がいた? はい   いいえ

   潜伏期間は1-3日です。流行時期に家族が次々に高熱になったら、可能性が高い。

質問4:インフルエンザ以外の高熱を来す疾患が否定的か?   はい   いいえ

   扁桃腺炎、腎盂腎炎(特に女性)、肺炎に注意。 頸部リンパ節の腫大、小児なら発疹の有無など。

以上4つの問いに「はい」が多い人ほど疑いが濃い。 インフルエンザの診断は、問診だけではとてもできないので、判定ボタンはありません。

【以下の症状があるときは、他の疾患や合併症の除外が必要です】

(1)扁桃腺炎 (過去に扁桃腺炎になったことがある人が多い)
  咽頭痛が強い。または、物を飲み込むときにのどがとても痛い。扁桃腺が赤く腫れて、表面に黄色いもの(プラーク)がついている。

(2) 腎盂腎炎(女性に多い)
   排尿回数が多い。残尿感がある。排尿痛がある。腰痛がある。

(3)肺炎
   咳が強い。または、黄色の痰がでる。肩で息をする。息切れが強い。呼吸が荒い。

(4)重症急性呼吸器症候群(サーズ、SARS)
    海外や国内での流行状況をみて、判断ください。疑いがあれば保健所へ電話で問い合わせください。

(5)インフルエンザに合併症が生じている
  高熱が5日以上続いている。意識障害がある(脳炎、脳症)。

(6)その他の発熱疾患
  その他のウイルス感染による発熱は、小学生以下で多い。発疹など参考となる症状がないかに注意。
  「現在、インフルエンザは流行していない。」、「発熱が軽度。微熱から徐々に熱が上昇した。」なども参考にする。

インフルエンザの可能性が低くても、38度以上の高熱の場合は診察を受けた方がよいでしょう。
ただし、 サーズの流行地域への海外渡航のあと10日以内ならば、まず保健所に連絡してください。