【トピックス(役立つ医学情報-循環器以外編No.24)】 
  公開日2007.06.28 更新日2007.08.01  HOMEへ(メニューを表示)  メニューを隠す  
  このページは、当院が興味を惹かれた医学情報(必ずしも最新ではありません)を紹介します。
  このホームページの記事はあくまでも参考に留め、治療方針は診療医師と相談して決めてください。
  108)【下痢】経口補水液の利用                   2007.06.14記 
  
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まとめ:感染性胃腸炎などによる激しい下痢に有効な経口補水液はもっと多く利用されてもいい!?
経口補水液は飲む点滴として開発され、進化した。 
    経口補水液(ORS: Oral Rehydration Solution)は、脱水状態の治療のために水分と電解質を素早く補給できるようにナトリウムとブドウ糖の濃度を調整した飲料である。いわば、「飲む点滴」と考えてよい。
   WHO世界保健機関は、1970年代に発展途上国でのコレラ感染による下痢に伴う脱水状態の治療に経口補水液を推奨して、大きな成果を上げた。その後も成人と小児のコレラ患者への使用を推奨している。
   2003年にCDC米国疾病管理予防センターは小児の急性胃腸炎による軽度から中等度までの脱水症の治療に経口補水液を推奨している。
   ナトリウムとブドウ糖を一緒に摂取すると小腸粘膜に存在する共輸送体によって同時に吸収され、水分の吸収を促進することが明らかになっている(共輸送機構)。コレラやロタウイルス感染などによる激しい下痢の場合でも、この共輸送機構は機能を維持し続ける。 
  経口補水液は点滴に比べ、安全かつ簡便である。
   状態が安定しており、経口摂取が可能な方の水・電解質補給方法として、経口補水液は大変有用である。
   
  オーエスワン(OS-1)[商品名]500ml:大塚製薬 
   オーエスワンは経口補水イオン飲料で、その組成は経口補水療法を発展させた米国小児科学会(AAP)の指針に基づいている。
   オーエスワン500ml中には、みそ汁約1杯(150ml)、梅干し中1個の食塩(1.46g)を含んでいる。カリウムは100%オレンジジュースコップ1杯(180ml)、バナナ1本(100g)とほぼ同じ390mgを含んでいる。
  【商品説明】
  ●「オーエスワン」は、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液です。
  ●軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給するのに適した病者用食品です。
  ●感染性腸炎、感冒による下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水状態、高齢者の経口摂取不足による脱水状態、過度の発汗による脱水状態等に適しています。
  ●乳幼児〜高齢者の中等度までの脱水状態時にお勧めです。
  【オーエスワンの特徴】
  ●ORS(経口補水液)の考え方に基づいて、電解質と等質の濃度を調整した飲み物です。
   一般のイオン飲料より電解質を多く含んでいます。
  ●塩味+柑橘系フレーバーの、飲みやすいスッキリ味です。
  ●飲んだ量が一目でわかる、メモリ付きPETボトル(500ml)入りです。
  ●高齢者にありがちな栄養不良による水・電解質不足や、より多くの水・電解質の速やかな補給が必要なときに適しています。真水の25倍という点滴並みの速やかな吸収速度が期待できます。
  【栄養成分表示(100ml当たり)】
    エネルギー 10kcal,タンパク質 0g,脂質 0g,炭水化物 2.5g
    ナトリウム 115mg,カリウム 78mg,マグネシウム 2.4mg,リン 6.2mg
  【原材料名】 
  糖類(ブドウ糖、果糖、コーンシラップ)、塩化Na、乳酸Na、塩化K、乳酸、硫酸Mg、リン酸Na、グルタミン酸Na、香料(一部オレンジ由来の成分を含む)、甘味料(スクラロース)
  ●摂取上の注意
  下記の1日当たりの目安量を参考に、脱水状態に合わせて適宜増減してお飲み下さい。
  ○ 学童〜成人(高齢者を含む):500〜1000ml/日
  ○ 幼児:300〜600ml/日
  ○ 乳児:体重1kg当たり30〜50ml/日
  医師から脱水状態時の食事療法として指示された場合に限りお飲み下さい。食事療法の素材として適するものであって、多く飲用することによって原疾患が治癒するものではありません。
  【当院の感想】 
   試しに500ml飲んでみた。スポーツドリンクよりも糖分が少なく、食塩が多いので、甘みが少なく、やや塩っぱい。2本以上飲みたくない味である。薬と思って飲めば、それほど嫌なあじではない。価格は一般のスポーツドリンクの役倍300円くらいになる。
  参考:
  2007.6.14記  2007.8.1修正