4) 痛風の症状と診断 その1

 痛風発作は下肢に多い急性の関節炎です。ほとんど1箇所のみに起こり、同時に複数の関節炎を起こすことはまれです。痛風関節炎の好発部位は足のおやゆびの付け根(第一中足趾節関節)です。足関節(くるぶしより下方にある関節)、膝関節、手指遠位関節、肘関節などにもおこります。発作は夜間や早朝の激しい痛みから始まることが多い。関節の痛み、発赤、腫れが強く、歩行困難になります。症状は24時間以内にもっとも強くなり、通常1〜2週間で完全になくなります。ただし、関節炎発作中に血清尿酸値を低下させる薬剤を開始すると、症状が長引くことが多いので、自己判断で薬の変更をしないようにしましょう。
  高尿酸血症のきちんとした治療を受けずに、関節炎発作を何度も繰り返していると、次第に痛風発作間隔が短くなり、慢性関節炎や重症関節炎に移行します。さらに高尿酸血症が長期間続くと「痛風腎」と呼ばれ腎臓障害が生じます。全くの無治療だと腎不全になる可能性があります。

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【鑑別診断】
 痛風と誤りやすい病気もたくさんあります。自己判断せずにきちんと診察を受けましょう。
外反母趾(がいはんぼし)
は足の親ゆびの付け根の関節から先の骨が外側に曲がっている状態で、親ゆびの付け根が内側に突出します。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
は皮下に細菌が感染して、皮膚が腫れ上がる病気です。
偽痛風
はピロリン酸カルシウムという結晶が関節炎を起こす病気です。高齢者の膝関節や足首の関節に多くみられます。
関節リウマチ
はたくさんの関節が慢性的に痛み、しだいに関節が変形する病気です。痛風と逆に女性に多い。

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