3) 痛風・高尿酸血症とは?  その4

【痛風・高尿酸血症は合併症に注意が必要】

痛風患者の合併症では、高血圧(49.2%)、高コレステロール血症(37.6%)、高中性脂肪(42.8%)、尿路結石(約20%)などの頻度が高い。(グラフは山中 寿:今日の診療より作成)。

 痛風は強い関節炎発作のために「痛み」ばかりが注目されてきました。しかし、高尿酸血症の約80%には何らかの合併がみられ、尿路結石、腎臓障害など起こしています。また、高血圧、動脈硬化、糖尿病、心臓病などの生活習慣病を合併しやすいと言われています。長期的にはこれらの合併症が重要になりますす。

【尿路結石とは】
  尿中の尿酸濃度が高くなると溶解できずに、尿酸の結晶が腎臓内で形成されます。腎臓と膀胱の間をつなぐ尿管は数mmと細いので、尿酸の結晶が詰まりやすく、激しい痛みと血尿を伴う発作を引き起こします。これが尿管結石です。ただし、尿管結石のすべてが尿酸塩によるものではありません。頻度的には、シュウ酸カルシウム結晶によるもの方が多いので、誤解のないようにして下さい。もし、結石を尿中から採取できたら、結石の成分を泌尿器科で調べてもらいましょう。

【痛風腎とは】
  腎臓に尿酸が沈着すると腎臓障害を起こします。高度の高尿酸血症を長年放置すると、最終的には人工透析が必要になる腎不全になります。しかし、現在は高尿酸血症のよい治療薬があり、きちんと尿酸値を管理すれば高尿酸血症による腎不全になりません

次は4) 痛風の症状と診断

痛風TOPへ
戻る
次へ