公開日2008.10.21 更新日2010.1.20
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このツールは、冠動脈疾患、脂質異常症（高コレステロール血症）の診断と治療にあたる医師向けに作成したものです。結果の解釈には医学知識が必要ですので、十分な冠動脈疾患危険因子の知識を持った医師に相談下さい。ツールの利用により生じたいかなる結果に対しても当院は責任を負いません。
■MEGA studyの資料に基づく、5年間の冠動脈イベント発生率とスタチン治療効果の予測ツール
2008年8月に発表となった論文「Practical Risk Prediction Tools for Coronary Heart Disease
in Mild to Moderate Hypercholesterolemia in Japan Originated From the MEGA
Study Data. Tamio Teramoto, et al. .(Circ J 2008; 72: 1569-1575)」のMEGA risk
chartから冠動脈イベント発生率（心筋梗塞、狭心症、冠動脈形成術）を求めるツールをEXCELシート(マイクロソフト社）で作成しました。オリジナルのMEGA
risk chartは、忙しい診療ではとても使えません。また、わかりにくいので患者教育にも使えません。簡易評価ツールであるMEGA scoreによる5段階リスク評価法は、8段階評価法のMEGA
risk chartと比較して、以下のような大きな問題点を含んでいるので、臨床の場で使うことは推奨できません。
| 提唱されている簡易分類法 | MEGA risk score | 表示された5年間イベント発発生率 |
詳細8段階分類での評価 |
MEGA risk chartでの5年間発発生率 | MEGA risk chartから計算した治療効率（NNT） | 薬物治療による治療効果 | |
| （１） | 0〜10点 | 0.3% | 評価法分類=すべて8 |
分類8（0.5%未満）
|
1333人/5年 | 期待できない | |
| （2） | 11〜15点 | 0.6% | 評価法分類=7 |
分類7（0.5〜1.0%）
|
444人/5年 | 期待できない | |
| （3） | 16〜21点 | 1.2% | 評価法分類=殆ど6、一部7 |
分類6（1〜2%）〜
分類7（0.5〜1.0%） |
222人/5年〜444人/5年 | 期待できない | |
| （4） | 22〜26点 | 2.5% | 評価法分類=殆ど5、一部4、6 |
分類4（3〜5%）〜
分類6（1〜2%） |
83人/5年〜222人/5年 | 多くは期待できない | |
| （5） | 27〜43点 | 6.4% | 評価法分類=1〜4 |
分類1（10%）〜
分類4（3〜5%） |
27人/5年〜83人/5年 | 期待できる者とできない者が混在している | |
| すべて投薬なしでの比較。 | |||||||
| 問題点： 薬物治療をすべきかどうかの指標となるNNTの目安は50人/5年近辺である。この点からすると分類（5）をもっと細かく分類し、逆に分類（1）（２）（３）は同じ扱いでよいはず。しかし、論文はこのような高脂血症治療の判別に役立たない方法を簡易法として使うことを誘導している。 |
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このツール対象者は心筋梗塞、狭心症になったことのない人です（一次予防）。 このツールはMEGA risk chartの資料をそのまま取り込んで、使っています。ただし、NNTの計算に必要な発生率の代表値は示された数値の範囲の中央値（0.5%未満は、0.25％、10%以上は12.5%）を代表値として使っています。スタチンの効果は、当薬前のLDL-コレステロール値の高低にかかわらず、発生率を一律30%減少させるとして、治療効率（NNT）の計算を行いました。また、治療効率の指標NNT＜50（人/5年）を有用な治療の目安としました。当院での追加処理はこれだけで、あとはオリジナル資料です。ここでの解析でLDL-C値の影響が小さいこと、女性ではスタチンの有用性が期待できる人は、ごく一部であることがわかります。
| ●冠動脈イベント発症率とスタチンの治療効果の予測ツール2008.12.14更新 ※注意：このツールは論文発表された資料をもとに作製しました。プログラムのバグや結果の解釈などの違いも含めて、このツールを使った如何なる結果に対しても当院は責任を負いません。自己責任においてお使い下さい。 |
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☆5yCHDrisk_MEGA_v1.0M（Ver.1.0 for Mac OS 9.1) ダウンロード 2008.12.14upload （Microsoft Excel ファイル）Macintosh用 β版（試験版）です。 |
| ☆5yCHDrisk_MEGA_v1.0W.zip（Ver.1.0 for Windows) ダウンロード 2008.12.14upload （Microsoft Excel ファイル）Windows XT用 β版（試験版）です。 |
| ●利用時の注意 Microsoft EXcel が必要です。他の表計算ソフトでは開けません。ウイルスはノートンでチェック済みです。マクロ使用（マクロは印刷ボタンのみなので、マクロオフでも使えます）。 |
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作成者：前田敏明（まえだ循環器内科） 2008年12月14日