年齢ほぼ90歳、身長143cm 、細身、小柄な女性。治療中の疾患は、高血圧、甲状腺機能低下症、一過性脳虚血発作。
●狭心症症状はありませんが、長年の喫煙歴、高齢、高血圧、心エコー所見から冠動脈疾患が強く疑われました。しかし、高齢なので運動負荷試験や冠動脈造影は行っていません。治療薬として、降圧剤にはカルシウム拮抗剤を使い、少量のアスピリンを併用しました。
（１）約4年前の心臓
　検査記録中の心拍数は63/分（洞調律）です。心室中隔の上部（大動脈に近い部分）は高齢者ではわん曲していることがあります。左室内腔の大きさは正常で、左室壁の動きもおおむね良好ですが、左室心尖部前壁の動きがやや低下しています。この部分の冠動脈疾患による心筋障害が疑われました。
心腔の大きさの計測値（ほぼ正常）
左室の短径：拡張末期（最大時）42mm,収縮末期（最小時）29mm
左室の動きの指標：左室駆出率58％,左室径短縮率30%
左房前後径：41mm（最大時）

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