3) 痛風・高尿酸血症とは?  その1

尿酸とは何?
尿酸はいろいろな食品や細胞の核やATPに含まれるプリン体と呼ばれる物質が処理されてできた老廃物です。尿酸は人のからだの中に一定量あって、血液などの体液に溶けて循環し、最終的に大部分が尿中へ捨てられます。

 尿酸は●(1)細胞の中にある「核酸」という遺伝子の成分が分解されてできる残りかすです。●(2)体内のエネルギーとなっている物質(ATP)からもできます。 また●(3)食物(特に内蔵、肉類)にも尿酸の原料は含まれており、これらを多く食べることによって体内で尿酸が増えます(上図)。
 
尿酸の大部分は尿中に排泄され、残りが汗、消化液などに排泄されます。尿酸が過剰に作られたり、腎臓などでの排泄が減ると血液の尿酸濃度が一定以上に高くなってしまいます。この状態を「高尿酸血症」と呼びます。
  尿酸が血液に溶けきれなくなると、その結晶が関節や他の臓器に沈着し、さまざまな合併症を引き起こします。

【血液中の尿酸の正常値は?】

 血液中(正確には血清中)に溶解できる最大の尿酸濃度は7.0mg/dlで、これは性別・年齢に関係ありません。ですから、「年齢や性別に関係なく、血清中の尿酸濃度7mg/dLを越えるものを高尿酸血症」としています。血液検査の報告用紙には尿酸の標準値、基準値として、男性で3.8〜7.5 mg/dl、女性で2.4〜5.8 mg/dlくらいが記載されていることが多いようです。しかし、これは病気のない健康な人がだいたいこの範囲におさまるという参考値です。健康によいという正常値ではありません

次は【高尿酸血症の病型分類】

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