【高血圧Q&A(詳細解説
part3)】
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31)高血圧で脳卒中はどれだけ増えますか? 2005.09.14記
A:至適血圧と呼ばれる120/80mmHg以下の人に比べて、軽症高血圧で3.2倍、中等症高血圧で4.5倍、重症高血圧で7.5倍に脳卒中が増加する。 また、血圧が正常高値でも2.2倍と脳卒中が増加するため、血圧は正常と呼ばれる範囲でも低い方がよいことがわかっている。
参考:血圧の分類(日本高血圧学会)「脳卒中の予防のためには血圧は低ければ低いほどよい」と言われるようになった(The lower ,the better)。そのため、高血圧治療で推奨される血圧目標値もこの数年で低くなってきている。
ところが、血圧は一日の中でも時間帯によって変化し、また家庭と診察時の測定値評価はしばしば異なる。
最近、一般人の常識とは逆に家庭での測定血圧値のほうが診察時の測定血圧値よりも高血圧の予後に深く結びついていることがわかってきた。つまり、診察時の血圧よりも、家庭での血圧値のほうがずっと大事であることがわかってきた。
秋田県の研究(後ろ向きコホート研究)の結果では、至適血圧者の脳卒中発生率を1としたとき、血圧の上昇とともに脳卒中のリスクは上昇した(上図)。 しかも正常血圧と呼ばれる血圧の範囲内でも低い方が脳卒中が少ないことがわかった。
また、季節による血圧変動と脳卒中発症率が平行して変化することもわかっている(下図)。
資料1)を一部改変 |
参考資料
1)「血圧の変化と脳卒中発症」鈴木一夫 日本臨床内科医会会誌2005.9月号
2005.09.14記 2005.09.24修正