公開日 2002.10.01 更新日 2003.07.16 更新履歴 HOMEへ(メニューを表示) メニューを隠す
5. 院長の略歴
1980年 山口大学医学部卒業、同年同医学部第二内科講座入局(心臓病・呼吸器・高脂血症・膠原病・腎臓病・高血圧の専門分野を研究している講座) 1980-1981年国立循環病センターにて研修 1981- 1985年 同大学院入学、大学院終了の後、博士号修得(テーマ:心エコー・ドップラーの臨床研究)。 1985年-1998年 山口済生会病院内科勤務。 初期3年は心疾患ならびに喘息・肺炎など呼吸器科の診療もおこなう。その後10年間は心筋梗塞、狭心症、不整脈、心筋症、弁膜症など心臓疾患を中心に、糖尿病、高血圧症、高脂血症、脳梗塞再発予防、喘息、慢性気管支炎をの診療を行う。 心エコー/ドプラー・心カテなどの諸検査ならびに、急性心筋梗塞・PTCA・ペースメーカーなどの治療を多数経験する。 特に心エコー/ドプラー検査を得意とする。 1998年12月 まえだ循環器内科開業。 |
6. 診療科目や専門医に関して
診療科目は循環器内科、、一般内科。
7. 診療特色:特に、パソコンの利用について
●自作の医学情報データベース
自分の専門に留まることなく、患者さんに役立つ「ありふれた病気や悩み」の情報を毎日収集して、パンフレットを作成しています。情報元の多くは医学書・医学雑誌・医学新聞ですが、3000ファイル以上になります。
400字詰め原稿用紙にすると総数2万ページは超えるものと思います。
これらを可能にしたのはパソコンによる文書のデジタル化と全文検索ソフトのおかげです。書籍の文書はOCR専用ソフト(Mac Reader Pro:文書読みとり専用ソフト)でテキストデータに変換します。必要に応じて画像もスキャナーで読み込みワープロソフトで両者を取り込みデジタル文書とします。
全文検索専用ソフト(検索君)を使ってキーワードで文書ファイルの内容から検索できます。
待合室には自作したパンフレットが100種類以上ならんでいます。
さらにパソコンの中には患者さん用のパンフレットが300種類以上あり、必要に応じてすぐに印刷できます。
説明用の画像データも200枚以上のスライドソフト(Power Point)になっていますが、著作権の関係で公開できません。
●市販の医学情報データベース、インターネット検索
すべての医学データベースを自作するのは非効率的です。市販の医学情報データベースとして「今日の診療」というCD-ROM本が利用できるようになっています。一般的な病気やおもな薬剤の解説はほとんどこれで行えます。
「自作データベース」の解説がないときにこの「今日の診療」を利用します。
最近はインターネットによる検索で、教科書にないことも質問のあった時に調べ、説明、印刷して手渡ししています。
たとえば「緑青(銅の錆)は猛毒と子供の時に聞いていたのに、緑青は全く無害」などは知りませんでした。
「群発頭痛」は教科書よりもインターネットが一番知りたい解説がありました。
サプリメント(健康補助食品)などの情報や「ためしてガッテン」、「あるある大辞典」なども楽しくためになるホームページです。
●自作ソフトの利用
電子カルテはいくつか見ましたが、どれも使い勝手が悪く、自分に合った仕様に変更できません。
また、心電図や画像記録は電子カルテには重すぎます。さらに紹介状などの外部からの資料はすべて非デジタルですので、結局完全な電子化ができません。
そこで、当院では従来の紙カルテの良さを残し、デジタル化で便利になる部分だけを電子化した機能の電子疑似カルテを作りました。
アプリケーションには『ファイルメーカープロ』というデータベースソフトを使っています。
開業後の2年間ほとんど毎日改良を続けたので、機能満載のソフトになり、画面がやや煩雑になりましたが、私に必要な機能が備わっています。
最終的には市販の電子カルテよりも数段使いやすい電子診療システム(疑似電子カルテ)が作れました。
利用している機能は以下の通りです。
1)処方箋管理・発行機能
・処方薬剤の一覧表示。解説メモ付き、目的別薬剤分類表示に切り替え可能。
:五十音順だけでなく、目的別・使用法別の分類あり、簡単な使用上の注意も一緒に見れる。
処方内容全体が一つのフィールドから成っています。入力はほとんどマウスで行います。
約束処方はボタン一つで追加できます。
おそらく最も速い入力方法と思います。
・過去の処方簡単呼出。
: 「去年もらった塗り薬ください」といったような時、紙のカルテより迅速確認可能。
・処方内容全文/一部分コピー
:検索 ID入力、複製、印刷とボタンを3回クリックするだけで、当日の日付に直した前回DO処方が印刷できます。
当人だけでなく、他人の処方内容もコピー追加できます。(今日来たAさんと同じ風邪薬を追加するなど)
・処方薬の保険適応症一括チェック
:レセプト請求時の処方薬剤に対する病名漏れが、理論上ゼロ。診療所としてはこの機能は大変便利です。
この対応表は薬剤や適応症の追加修正が簡単にできます。病名コードは実情に合わなく、不便なので使っておりません。
病名はプルダウンメニューから選びますが、慣れると直接入力した方が早い。
・当日/前日/2日前/今月/先月患者リスト一発呼出
2) 病歴管理
・ 現在有効/現在無効となった過去の病名一覧を常に表示
:慢性病名と風邪などの一時的病名に分けています。
・病歴管理
:病歴の要約のみです。クリック一つで表示、修正可能。患者さんの重要情報を永久保存できます。
紹介状を書くときは、自動的に既往歴のところにコピーされるので大変便利です。
カルテ更新のときもこの内容を印刷して、カルテの病歴ページにします。
なお、診察の日々の症状、血圧などは紙のカルテにのみ記載し、電子疑似カルテには再利用可能な重要情報のみ記載しています。
喫煙習慣、運動習慣、飲酒習慣、間食の状態など生活習慣病指導に必要な項目を常に表示して、指導の参考にしています。
・年齢自動計算:生年月日から計算
・標準体重/BMI、肥満度、糖尿病の標準カロリーの自動計算結果をを常に表示
: 身長、体重を入力しておくと、あとは自動計算です。過去の体重も分かります。
・ おもな血液検査記録
:糖尿病・高脂血症・腎機能障害など検査値の推移が重要な患者のみを対象に入力。LDL-Cの自動計算
・予防接種歴、肝炎ウイルス検査結果を常に表示
3)紹介状作成支援
: 紹介状は、紹介先 & 時候の挨拶 & 紹介理由 & 過去の病歴サマリー & 処方箋内容からたたき台文章が自動的に作成されます。 この文章を少し修正すれば、詳細な紹介状が速く書けます。(&=文章の結合
)
4)生活習慣病指導箋作成支援
: 電子疑似カルテからのデータ転記と、薬剤の解説、運動、飲酒、食事、その他の解説メニューごとに何種類もの内容を登録してます。
ふさわしい物を選び、これを結合・合成することにより全文を作成。
糖尿病の診断があれば、食事カロリー自動計算した文章を自動追加します。
5)米国ATPIII勧告の冠動脈疾患の10年リスク絶対値の計算(EXCELにも移植しました)
: 米国の高脂血症治療ガイドラインをもとに、各種リスク要素を入力し、冠動脈10年リスク絶対値を計算し、これをもとに指導報告書を完全自動作成します。
10年リスクが低い人への抗高脂血症薬を処方しすぎないようにするのに、かなり参考となります。
また、年齢・性別・喫煙の有無・コレステロールのレベルなどの条件を自動的に変えた報告書が作成されます。
もし、あなたのコレステロールが220以下なら、冠動脈10年リスクは●●%です。タバコを吸っていないとすると●●%です。。
など患者に禁煙や治療の効果を説明するのに便利、ただし、虚血性心疾患の既往歴や糖尿病がない場合の数値しかでません。
6)ISH/WHO高血圧循環器リスク評価
: 5)の高血圧版ですが、特に面倒な計算しなくてもできるので、パソコンを使う価値はあまりなく、実用的でない。
7)経口ブドウ糖負荷試験OGTTによるインスリン抵抗性の評価
:HOMA-R、 HOMA-β、他の代表的なインスリン分泌機能指標とインスリン抵抗性指標をOGTTの結果から計算し、報告文を自動作成しています。
インスリン抵抗性の評価と患者の生活習慣改善への動機を起こさせるのに便利です。また、早期糖尿病の発見に役立ちます。
「インスリンの効果を阻害する体質になっています。禁煙、肥満の改善、運動習慣を変えないと体質は変わりません」など