■心室細動■ 公開日 2006.3.02 更新日2006.3.02
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心臓正面像(矢印は見る方向)
身体の左側やや後ろ側から見た心臓
解説 

 心室細動は左室と右室が、小刻みにけいれんしている状態です。自然に元に拍動にもどることはほとんどありません。不整脈の中では最も重症度の高い不整脈です。原因の多くは急性心筋梗塞などの冠動脈疾患です。この治療には薬物ではなく、電気ショック(電気的除細動)が唯一といってよい治療です。ただし、除細動によって心臓の拍動を正常化しただけで、原因の排除が行われなければ、再び心室細動となります。
  私の経験では、多くの場合除細動だけで救命することは困難であり、抗不整脈剤などの治療効果がでるまで、しばらくは心臓マッサージを行う必要があります。
また、ハイパワーの除細動自体が心筋障害をおこすので、3回おこなっても心室細動になる場合は、いたずらに除細動を繰り返すことなく、心臓マッサージと人工呼吸で落ち着くのを待つのがよいと私は思っています。いままでに蘇生の成功した心臓マッサージの最長時間は2時間半です。2度目の急性心筋梗塞で、冠動脈再潅流療法を待っているうちに、心室細動となり、3度除細動を行いましたが、心室細動を繰り返すため、除細動をやめて、心臓マッサージを続けました。心室細動が起こらなくなってから、冠動脈再潅流療法(冠動脈ステント留置)を行いました。その後、2年以上元気に通院しています。

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