健康な高齢者の心臓の動き■ 公開日07.04.14  更新日07.04.18  左メニューを隠す TOPへ 
左室の縦切り断面(左室長軸断面)
解 説
断面を見る方向

左室の縦切り断面
 
左室の縦切り断面では、左室は弾丸のような形をしている。収縮期(左室が小さくなる時期)には左室の中心に向かって、左室心筋壁は動く。同時に左室壁の心筋は厚くなる。左室の前方(画面上の上)にあるひだの多い内腔が右室(右室の流出路)である。
1)10歳代の正常左室の形を、40-60歳代の正常左室に比べると、短軸断面が特徴的で、拡張期に楕円形となり、収縮期にほぼ円形になる。
2)60-80歳代のより高齢者では心室中隔上部が左室から右室に向かって「へ」の字に曲がっている例がある。本例も曲がっている。
3)加齢とともに左室壁の弾力性は低下する。拡張しにくくなった左室を拡張期に十分に血液で充填させるために、より強い心房収縮が起こり、左室の充填量が減らないようになっている。
  この動画では、心房収縮による左室の充填を表現するために、一心周期の動画の枚数を通常の2枚から、6枚とした。 心臓の各構造物の大きさや動きは、実際の心エコー検査の観測値を参考に作成した。なお、実際の症例では軽度の僧帽弁に異常(軽度逸脱)があったのでこの部分は修正した。

 

これは僧帽弁の逸脱の修正を行わずに描いた動画である。正常では僧帽弁前尖は左室に向かって凸となり、出っ張った状態で閉じるが、この例では弁尖が左房側に寄っており、直線化している。もっと高度になると後尖と前尖がずれて、弁逆流が生じる(僧帽弁逸脱による僧帽弁逆流)。
作画の元となった写真による動画である。
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