■右冠動脈遠位部(3番)の完全閉塞(大画面)■  公開日2004.2.20 更新日2004.08.30  左メニューを隠す TOPへ
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心臓の正面像(心膜を取り除いた像)
選択的右冠動脈造影の解説

 

  左の動画は心臓を正面から見たときの右冠動脈造影を描いています。カテーテル(造影剤を注入する約1.5-2mm細い管)の映像は省略しています。

 左の動画は、右冠動脈の遠位部(3番)の完全閉塞の右冠動脈造影をモデルとしています。この部位で閉塞すると心臓の横隔膜に接する左室面が心筋梗塞になります(下壁梗塞)。(2番)の閉塞同様に、大きな右室枝を出したあとでは、右室の心筋梗塞が臨床上問題になることはありません。              
 一般に梗塞範囲が大きくなるかどうかは、閉塞した冠動脈血液供給範囲(支配領域)の広さと側副血行※の有無、程度によります。 また、治療により、早く閉塞部位をなくし、血流を再開してあげると梗塞範囲が小さくなります。できるだけ早期に閉塞部位をなくし、血流再開を行うことが治療の基本です。
  通常、右冠動脈の閉塞による心筋梗塞(下壁梗塞)は左冠動脈の前下行枝による心筋梗塞(前壁中隔梗塞)よりも梗塞範囲が小さいのですが、脈拍が極端に遅くなったり、治療により再び血流が再開したときに、心拍数が著しく減少したり、血圧が極端に下がったりする再還流障害が高頻度におこります。
 右冠動脈の閉塞では、上腹部痛や吐き気、嘔吐などの消化器疾患と紛らわしい症状が多く見られます。中高年の吐き気や嘔吐では、急性心筋梗塞も疑い、心電図を検査する必要があります。

※梗塞=血流が途絶えて、組織が壊死すること。
※側副血行=主な血管が詰まっても別の血管からくる血流で、例えれば道路閉鎖の時の迂回路のこと。



冠動脈の各部分の名称

【左冠動脈の名称】:静止画
(1)●左前下行枝(ぜんかこうし)
(2)●左回旋枝(かいせんし)

【右冠動脈の名称】
(3)●右冠動脈
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