■典型的な肥大型心筋症■  公開日09.05.12  更新日09.05.12 左メニューを隠す TOPへ  
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左室の縦切り断面(左室長軸断面)
解説  

患者さんの状態
 60歳前半の男性。軽症の高血圧症を合併。身長は160-170cm、標準体重よりやや多い程度で肥満なし。心臓病による自覚症状はない。
 24時間の心電図記録(ホルター心電図)では、上室性の期外収縮を若干認める。
●心エコー・ドプラー所見

  左室壁厚は後壁厚(下側)は正常(約10mm)だが、心室中隔は2倍以上の25-28mmと典型的な非対称性肥大を示す。左室内腔は心尖部が狭くなり、先鋭化している。収縮期の左室壁の動きは良好。経僧帽弁口血流速パターンは、心房収縮期速度/急速流入期速度比はほぼ1.0。また、緩徐流入期の流速が大きくなっている(特徴的所見)。左房径はやや大きい。 
●計測値
左室の短径:拡張末期(最大時)42mm、収縮末期(最小時)25mm。左房前後径(最大時):50mm。 

目盛りは1cm間隔。検査時の心拍数は59/分、洞調律。

 

 この病気では中年以降に心房細動を合併し、脳塞栓症になることが少なくありません。この方でも心房細動の前兆とも言える上室性期外収縮が通常より多く認められており、心房細動の予防のために、心臓の負荷が増加しないように治療しています。また、発作性心房細動を起こしていないか、問診で注意を払っています。
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