■■ 右冠動脈(近位部:1番)閉塞による急性心筋梗塞 ■■
公開日 2004.04.18 更新日2004.04.18  更新履歴   HOMEへ  左メニューを隠す

どちらも入院日の治療前と治療後(冠動脈ステント留置)の冠動脈造影です。 大きな写真へ
治療前
治療後(冠動脈ステント留置後)
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- 資料提供 済生会山口総合病院 -

治療前の冠動脈造影
 冠動脈造影は急性心筋梗塞の確定診断と治療方針を決める最も重要な検査です。
冠動脈造影では、右の冠動脈の比較的根もと(右冠動脈近位部=1番の完全閉塞)による心筋梗塞と診断された。ただし、左冠動脈(前下行枝から)中等度の側副血行がみられた。
 側副血行とは、本来の血管以外の血管から流れてくる血流です。高度の狭窄が長期間続き、その血流の不足分を補うために、別の血管とつながった(吻合)細い血管が次第に大きくなったものと考えられます。

治療後の冠動脈造影

 閉塞部分を風船で膨らませると、血流が再開し、末梢が造影されました。その直後に心拍数が極端に低下し、血圧も低下しましたが、薬物で戻りました。風船で単純に膨らませただけでは、まだかなりの狭窄が残りました。太い内腔の血管から血栓により急に閉塞したのではなく、もともと高度の狭窄があって、完全に閉塞してしまったものと考えられます。 このままでは再び閉塞することもあるので、引き続き、冠動脈内ステントを留置し、冠動脈は十分に拡がりました。

 急性心筋梗塞は、コレステロールが変性した柔らかな粥腫(じゅくしゅ:アテローム)が破綻したために、血管内に血液の塊(血栓)が形成されて、血管が閉塞しておこる病気です。急性心筋梗塞の冠動脈内の血栓排除には、風船による破砕がよく行われます。以前は薬物による血栓溶解がよく行われていましたが、最近は風船による治療が主体です。また、風船による拡張だけでは十分な拡張が得られない、また再閉塞が多いという理由で、風船による拡張の後に、金属のステント留置を行うことが多くなりました。

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