急性心筋梗塞の治療法(冠動脈血栓溶解療法)
公開日2003.6.16  更新2003.4.08.30 左メニューを隠す  HOMEへ
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■冠動脈血栓溶解療法と冠動脈形成術■
 カテーテルという管を通して、冠動脈内に血栓を溶かす酵素を流します。血栓に付いた酵素は血栓を溶かし、細かく崩れた血栓は末梢に流れてゆきます。カテーテルを使わずに手足の静脈(末梢静脈)から薬を入れる方法もあります。冠動脈に直接薬を入れても血流が再開するまで、5〜30分はかかります。また、血栓の一部は完全に溶けずに残ることが多く、再び血栓により閉塞することも少なくありません。
 最近日本では、より早く、より確実に血流再開ができるということで、血栓溶解療法よりも風船により血栓を破砕し、元々の狭窄もなくす冠動脈形成術を行う施設が増えています。冠動脈形成術は金属による血管を広げる支え(冠動脈ステント)を併用することにより血流再開の成功率が上昇し、また再閉塞を減らすことができるのも長所です。

■急性冠動脈閉塞に対する再潅流療法(さいかんりゅうりょうほう)■
 
心臓の動脈が血の塊(血栓:けっせん)により突然閉塞(急性冠動脈閉塞:きゅうせいかんどうみゃくへいそく)すると、その血管から酸素と栄養を供給されていた心筋が危篤状態(心筋虚血:しんきんきょけつ)になります。数時間以内に血液の流れを戻してあげないと(再潅流:さいかんりゅう)、その部分の心筋が死んでしまいます(心筋壞死:しんきんえし)。これが心筋梗塞を呼ばれる病気の起こり方です。ですから、出来るだけ早く、血流を戻してあげることが大事なのです(再潅流療法:さいかんりゅうりょうほう)。
 最もよく行われる再潅流の手段として、血栓を酵素で溶かす「血栓溶解療法(けっせんようかいりょうほう)」と風船つきの管で血管を拡げる「冠動脈形成術(かんどうみゃくけいせいじゅつ)」または拡げた血管を金属の網の筒で支える「ステント」が行われています。ここでは急性心筋梗塞に対する血栓を溶かす薬による治療をイラスト動画で示します。