【レクチャールームNO.8】
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公開日2007.11.14 更新日2007.12.28 TOPへ 左メニューを隠す メニューへ 次へ
このサイトは参考となった講演会・論説の内容を紹介しています。
世界保健機関WHOは先進国が取り組むべき最も効果ある保健医療課題は、喫煙対策と言っています。日本では税収、政府が株主となっているJTなどの政治的な理由で禁煙対策が後回しにされています。喫煙に関する的確な情報がもっと公開され、一般の方々にも広く普及することを望みます(前田)。 |
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ところが、厚生労働省は禁煙を後回しにして、メタボリック症候群対策を最優先課題とした。この方針は大いに疑問である。喫煙者に「要禁煙治療」と通知しない現在の健康診断・人間ドックのあり方も見直す必要がある。 |
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1日21本以上タバコを吸う30歳以上男性の心筋梗塞死リスクの大きさは非喫煙者群の4.25倍であり、総コレステロール280mg/dl群の3.9倍、収縮期血圧180mmHg群の2.66倍を大きく上回っていた(図3:NIPPON DATA80)。これは、喫煙が重症高血圧・重症高コレステロール血症に匹敵する冠危険因子であることを示す。 1日21本以上の喫煙が総コレステロール300mg/dlあるいは収縮期血圧200mmHgと、心筋梗塞で死ぬ危険をもたらす因子として同等であるという証拠がある。 一方、法定健診や人間ドックでは、総コレステロール300mg/dlや収縮期血圧200mmHgには即座に「要治療」というレッドカードを発行するが、1日100本の喫煙者に対しては何もいわないというおかしな仕組みがまかり通っている。 |
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※3)冠危険因子とは、狭心症や心筋梗塞の原因となる因子、具体的には「喫煙」、「高血圧」、「糖尿病」、「高脂血症」、「年齢」、「性差」などをいう。 ※4) 耐糖能異常とは、ブドウ糖を処理する能力の低下をいう。通常の検査で診断される糖尿病だけでなく、「境界型糖尿病」も含まれる。 |
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作成2006年11月2日 最後の校正2007年12月28日 公開2007年11月14日