糖尿病Q&A(2)■
公開日 2002.10.01、更新日2004.09.25  更新履歴   HOMEへ(メニューを表示)  メニューを隠す
記事は参考に留め、治療方針は診療医師と相談してください。
糖尿病Q&A(2)

11)2004年9月糖尿病の最新情報(ためしてガッテン2004.9.22放送から)2004.9.25

糖尿病Q&A(1)へ戻る
内容
01)糖尿病の原因は何でしょうか?
02)糖尿病の早期診断のためには症状に注意することが大事でしょうか?
03)尿に糖がでなければ糖尿病は軽症でしょうか?
04)血糖値検査は空腹時と食後のどちらがよいでしょうか?
05)どうしたら軽症糖尿病を早期発見できるのでしょうか?
06)最近、糖尿病の診断基準が変わったそうですが、なぜでしょうか?
07)境界型糖尿病とは何でしょうか?
08)糖尿病の検尿検査では尿糖をみているのでしょうか?
09)糖尿病の人は心臓病どれくらいになりやすいのでしょうか? 2003.11.01
10)2004年糖尿病治療ガイドラインの変更内容 2004.9.25


目次へ  次へ進む

Q11:2004年糖尿病の最新情報

A:欧米と日本では糖尿病患者の原因が異なり、対策にも違いがあるようだ。食べる時間の工夫や、軽い筋肉刺激でも結構改善の効果がある。

 以下試してガッテンのHPの内容を少し短くしたものです。オリジナルはこちら
  8年前から行われてきた糖尿病患者の日本初の大規模臨床試験の中間報告が、2004年1月に発表された。糖尿病は「食事を減らせばいい」、「やせればいい」という常識が、日本人には当てはまらないことが多いことがわかった。食べる時間の工夫や、軽い筋肉刺激でも、症状改善の効果があることを紹介している。
 しかし、糖尿病の対策や予防にとって、食事制限と運動療法が必要であることには変わりない。

(1)「欧米の常識 vs 日本の新常識」

 全国59の医療機関が協力し、2000人以上の2型糖尿病患者の生活習慣(食事制限や運動)と病気の進行度を追跡調査して、合併症予防にどんな対策がどれほどの効果を持つのかを徹底調査(「日本糖尿病臨床介入試験」)した。
●「日本人の糖尿病患者は太っていない」
肥満度(BMI)を調べた。一般の欧米人と日本人平均は22.7とほぼ同じ。糖尿病患者の場合、欧米人では+20Kgの肥満体が多いのに、日本人では+1Kg多いだけだった。日本では、多くの糖尿患者は太っていなかった。
●症状が「改善した人」と「悪化した人」について
 調査期間中に、症状が改善した人が462人、症状が悪化した人が273人いた。
両者の1日の総摂取カロリーはほとんど同じ、症状が変化する前後で体重の変化もなかった。
唯一、両グループ間で差が認められたのは、日々の運動量だった。
●欧米人と日本人で体質が違う理由
 日本人は少ない食事でも生きてゆけるための「倹約遺伝子」を持つ人の割合が非常に高い。そのため少し食べ過ぎたり、体重が増えただけで糖尿病を発症しやすい。一方欧米人は、少し太ったぐらいでは糖尿病は発症しない。

(2)「筋肉を刺激し 劇的効果?」

運動嫌いのAさんに、2週間の「バンザイ」「お尻浮かし」「タオルたぐりよせ」の簡単な筋肉刺激運動してもらった。
●2週間の結果
* 血糖値(午前10時、空腹時): 233 → 103
* ヘモグロビンA1c(4週間の血糖値のレベルを表す数値): 6.9 → 6.7
※ずっと7〜8の値を繰り返していたAさんにとって、初めての低いレベルだった。
●筋肉刺激のメニュー
番組で御用意したのは以下の8つです。ポイントは「普段使わない筋肉を使うこと」と「大きい筋肉を使うこと」です。
* バンザイ:イスから立ったり座ったり。立つときにバンザイをする
* お尻浮かし:寝た状態から、首とヒジ、かかとを使ってお尻を浮かす
* タオルたぐりよせ:足の指を使って、タオルを手前に手繰り寄せる
* おおまた歩き:大またでウォーキング
* 空中平泳ぎ:片足立ちで、上体を床と平行にし、腕で平泳ぎする
* 空中自転車こぎ:寝た上体で、空中で自転車をこぐ要領で足をグルグル
* ステップ運動:階段などの段差を使って踏み台昇降
* うしろ歩き:後ろ向きに歩く
※これらのメニューは、実際の病院でリハビリメニューとして行われているものを、一部番組がアレンジしたものです。
※筋肉や関節に負担をかけないように注意して行って下さい。特にうしろ歩きは、転倒やケガに御注意下さい。

(3)「食事のウラ技」

●朝食を1時間早くしたところ、食べる量や内容が同じでも、1日全体の血糖値が下がった。
●朝ごはんは何時ごろ食べればいいの?
 個人差があるので、一概に「何時に食べるがよい」とはいえない。しかし、朝起きてから2時間も3時間も食事をしなかったり、朝ごはんを食べないような人は、しっかりした朝食を1時間早く食べることで、血糖値を良好な状態に保つ効果が期待できる。
●まとめ:食事のポイント
* 朝ごはんは早めに食べる
* 朝ごはんはしっかり食べる
朝ごはんを抜くと、その分、昼、夜の食事が増え、血糖値が非常に上がることになる。
* 夕食は早めに
夜はすい臓の活動が下がる時間帯、遅い夕食は夜中の高血糖の元になる。朝ごはんまで12時間ほどあけるようにするのが理想とされている。 

出典:ためしてガッテン2004.9.22放送内容
http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2004q3/20040922.html
20004.9.25記