■右冠動脈が閉塞したためにおこった急性心筋梗塞(下壁梗塞)■ 公開日03.08.01  更新日03.9.14 
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左室の縦切り断面(左室長軸断面)
解説
 

発症後1ヶ月 ぐらいを目安に、これより 新しい心筋梗塞を「急性心筋梗塞」、古い心筋梗塞を「陳旧性心筋梗塞」と呼んでいます。

左図は梗塞の範囲から「下壁心筋梗塞」と呼ばれています。

 急性期の心筋梗塞の重症度は1)閉塞した血管の血液の流れの再開までの時間、2)梗塞の大きさ、3)心筋梗塞合併症、などが影響します。特に、血流再開までの時間が大事です。血管が閉塞した直後の心筋は、まだ死んでいません(局所的な組織の細胞の死を「壞死えし」と言います。)。「気絶心筋」と呼ばれる状態です。いわば、「心筋が危篤状態」になっているのです。心筋梗塞発症から、3時間以内に血流が再開できると梗塞部位の心筋がかなり回復します。6時間過ぎると血流再開してもその効果は、あまりありません。

心筋梗塞は、発症後1時間以内に受診するのが理想です。早ければ早いほど良い治療効果が得られます。ぐずぐずしていると、重症不整脈がおこり、心臓が止まったり、心臓全体のけいれんが生じたりして、危険です。

梗塞の範囲は左室長軸断面だけでは、判断できません。左室の短軸断面での広がりを評価する必要があります。


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この症例は、右の冠動脈が詰まったために生じた典型的な下壁心筋梗塞をモデルにしていますが、実際の症例ではありません。この断面では左室の後側の壁運動の障害が見えますが、障害の範囲を知るには輪切り断面による評価が必要です。

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