急性心筋梗塞時の冠動脈ステント植え込み術をイメージしたイラストアニメです。
公開日2003.6.19  更新2003.7.30  左メニューを隠す HOMEへ
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 ■冠動脈ステント留置術■
  冠動脈 ステント留置術は、 冠動脈狭窄部あるいは閉塞部に金属製の筒状のものを留置する手術です。
風船によって拡張された血管は元に戻ろうとする力が作用するため再狭窄が起こってしまいますが、ステントはこの力に対抗し、冠動脈の内側から血管を押し拡げるように支えます。風船による冠動脈形成術(PTCA)単独に比べて、冠動脈 ステントは、1) 急に血管が閉塞する(急性冠閉塞)のを減らすことができる、2)血管内腔をより広くできる、3)慢性期再狭窄を減らすなどの利点があります。風船による冠動脈形成術の弱点を補う方法として普及してます。

 冠動脈ステント植え込み術は、急性心筋梗塞の治療方法だけでなく、狭心症の治療に多く使われています。風船によって拡張だけでは、再狭窄が30〜40%もありますが、冠動脈 ステントを使うと10〜15%程度に抑えることができます。ただし、ステント留置後に血栓が付き、血管が詰まることがあります。血栓がつきにくくなる薬をしばらく併用する必要があります。

ステントの表面を血管内膜の増殖を抑制する薬を塗っておくと再狭窄を減らせるなど、ステントの技術は今も進歩しています。ただし、ステントも万能ではありません。2.5mm未満の細い血管ではうまくいかないことが多い。

■実際の手技(イラスト)■
 風船による血管形成術とは手技的に共通している部分が多い。風船による血管形成術により、あらかじめ血管を拡げておいて、細く折り畳まれてステント付き風船が狭い部分を通りやすいように拡げておきます。ステントの内側には風船があり、目的の場所で風船を膨らませることによりステントを拡げ、血管壁に食い込ませて固定します。長期的にはステントの表面を血管壁の内膜が被うことになります。