9) 高尿酸血症・痛風の代表的な治療薬 その2 |
【治療薬の種類】
1)ウラリット-U散、ウラリット錠(500mg)または 重曹
高尿酸血症患者では、酸性尿の頻度が高く、酸性尿では尿酸が結晶を作りやすい。
これらの薬は尿酸値は下げないが、尿をアルカリ化し、尿中の尿酸を溶けやすくし、尿路結石を予防します。
2g/分2以上、錠剤なら4錠を投与する。尿酸降下療法より前に開始することもあります。
○尿路結石経験者または尿路結石の家族歴のある例、○未治療の産生亢進型、○食事により、尿のアルカリ化が不十分な場合などには本剤の投与がお勧めです。
×× 注意事項 ××
|
×ナトリウム含有量が多いので、心不全、腎不全、浮腫、高血圧などの人には使えないことが多いので注意する。 |
×尿をアルカリ化しすぎると、カルシウム塩などの溶解度を低下させ、シュウ酸カルシウム結石を増加させる可能性があるため、尿pHは6.0‐6.5を目標とする。 |
×少量や1日1回ではほとんど効果がない。 |
2)ユリノーム錠(25)または(50mg):一般名 ベンズブロマロン
発作中の痛風を治す作用はありません。毎日服用して体内に蓄積した尿酸を減らし、痛風発作を予防したり腎障害を改善させる薬です。
尿酸排泄低下型の痛風・高尿酸血症に使うことが望ましい。尿中の尿酸は増加するので、尿路結石が増える可能性がある。尿路結石になったことがある人、または尿路結石の家族歴のある例では、ウラリットなどを併用することを勧めます。相当長期間続けることが必要で、大部分は一生続ける必要があるようです。
×× ユリノームの注意事項 ××
|
1)ごくまれに重症肝機能障害による死亡が報告されています。これらは全て、内服開始から半年以内に起こっています。それ以上の 期間服用中のかたは、まず安全でしょう。さらに定期的な肝機能検査、きちんとおこなっていれば危険性は極めて低い薬といえます。 |
2)軽度の腎機能低下時には25mg程度に減量する。 |
3)相当長期間続けることが必要で、たいていは一生続ける必要があるようです。 |
3)ザイロリック錠(またはアロシトール錠)(100mg)
毎日服用して体内に蓄積した尿酸を減らし、痛風発作を予防したり腎障害を改善させる薬です。 痛風発作を治す作用はありません。
尿酸産生亢進型の痛風・高尿酸血症の治療に向く。未治療の産生亢進型ではウラリットなどの併用が望ましい。
腎機能低下がある時には使用量を減らす。正常ないし軽度低下は1〜2錠/日、腎機能低下例では1錠/日〜半錠/日または2〜3日ごとに1錠、透析患者では透析後に1回のみ1錠を目安とします。
混合型痛風・高尿酸血症ではユリノーム錠とザイロリック錠(100mg)のどちらか一方から開始し、併用する。
尿アルカリ化薬の併用も考慮する。
★痛風発作を最近経験した人または長期に高尿酸血症無治療の人の治療の注意点★
治療に伴う痛風発作の誘発をさけるため尿酸の低下をゆっくり行う。尿酸降下薬を最小量かその1/2錠以下から開始する。