5) 痛風発作・高尿酸血症の治療  その2

【痛風発作時の薬物治療】

◎非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
 痛風以外でも鎮痛剤としてよく使われる薬です。 痛風発作には短期間に限定し、多めに服用するとよく効きます。ただし、消炎鎮痛剤は腎臓の機能が低下している人や胃潰瘍で治療中の人などは使えませんので要注意です。鎮痛剤でもアスピリンやジフルニサルは発作を重症化しますので使わないようにします。ワーファリンを内服中の人もNSAIDsを避け、ステロイドを使用します。いろいろ注意点も多いので、医師の指示もとに使いましょう。

◎コルヒチン
 痛風発作のごく初期のみにコルヒチン(0.5mg)を少量(1錠)使います。副作用のために、本格的な発作時にはコルヒチンは使わない方がほうがよいとされています。副作用には嘔気・嘔吐、下痢、 腹痛、筋肉ケイレンなどがあります。

◎副腎皮質ステロイド
 強力に炎症を抑える作用があり、よく効きます。ただし、重症例だけに短期間に限って使います。

×尿酸低下剤

 以外にも痛風発作中に急に尿酸値が上昇したときだけでなく、逆に急に尿酸値が下降したときも発作を悪化させます。血清尿酸値を低下させる薬剤(ザイロリック、ユリノームなど:商品名)は発作中には追加したり、新たに使ってはいけません。関節炎発作を重症化または長引かせます。ただし、ずっと飲んでいる場合は発作中もそのままの量を続けてください。

【発作重積状態の治療】

 痛風発作の加療を中途で中止したり、尿酸値の管理が安定せず、発作中に次の発作を併発して長期化する場合にはステロイドを使用します。しかし、副作用を考えて、できるだけ短期の投与とします。
プレドニン錠(5mg)2〜4錠/日

次は【痛風発作鎮静化後の治療】

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