独り言】 
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このページは、医療・医学分野に限らず私が思ったことを記したサイトです。
あくまでもその時の個人的な意見です。また、後に考えが変化することもあります。
【独り言の目次】
【医療】営利団体の研究費によって行われた臨床試験は信頼性が劣る。2007.03.05記、2007.03.05修正
製薬会社にとって、自社開発の薬物が有効かどうか、他剤よりも有用度が高いかどうか、は自社薬剤の売り上げに関わる重大な問題であるために、その調査である大規模臨床試験の結果には重大な関心がある。自らがスポンサーになった臨床試験には、ある程度の影響が出ても不思議ではない。私が見る限りでは、営利団体(製薬会社のことが多い)が研究費を出している場合は、いづれも「薬の売り上げが伸びるような結果、表現」となって発表されている。中には、あきれるほどのひいきも少なくない。医師はこのような現状をよく理解して、製薬会社が資金を出している場合は、信頼できる情報かどうかを強く意識する必要がある。トリック的な統計の技法を使った発表も少なくない。
 
以下 Cardiosource Spotlight(発行日2006.12.20)より引用 ----------------------------
循環器領域の大規模臨床試験が営利団体からの研究費によって行われたか否かは最終結果に影響するか:2000-2005年の報告について   Reported Outcome in Major Cardiovascular Clinical Trials Funnded by For-Profital Not-for-Profit Organizations:2000-2005
 JAMA,New Eng J Med,Lancetに報告された324の臨床試験を分析したところ、研究費が非営利団体のみからの場合には新しい治療法が有意との結論は49%であったが、営利団体の場合は67.2%であり、新薬、治療器具でも同様の傾向であった。またエンドポイントが臨床症状でなく検査所見の場合にその傾向が顕著であった。臨床試験は非営利団体の資金に基づき臨床症状をエンドポイントにすることが望ましい。
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