独り言】 
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このページは、医療・医学分野に限らず私が思ったことを記したサイトです。
あくまでもその時の個人的な意見です。また、後に考えが変化することもあります。
【独り言の目次】
【ノロウイルス】ノロウイルスに関する報道について。2007.01.17記、2007.02.07修正
 昨年末には大々的なノロウイルス流行の報道があった。一転して、新年を迎え、ノロウイルスに関するマスコミの報道数は極端に減り、ほとんど耳にすることはなくなった。マスコミ報道による風評被害により、カキ養殖業者が窮地に立たされたことを考慮したようにも見える。
  「ノロウイルスによる死亡が2人ありました」と一部のテレビ放送があったときは、首を傾げた。ノロウイルスは感染力が強いが、病気そのものは重症ではない。もともと重症の基礎疾患や栄養障害があった場合は、下痢や嘔吐でも生命に関わることがあり得る。
  しかし、「朽ちた大木が弱い風で倒れた」、「シロアリに蝕まれた柱が、人がもたれただけで折れた」、「老衰の人が風邪の症状がある時に死亡した」、これらを、風、人、風邪が原因でそうなったと言ってよいだろうか。これらは単なるきっかけであり、早晩同じ結末となるはずであった。
 ノロウイルス感染はインフルエンザ、エイズ、狂牛病、SARSに比べると生命危険度が低く、ほとんど数日で完全に回復する病気である。感情的に極端に恐れる必要はない。やたら危険性を騒ぎ立てる煽動的な報道はやめてほしい。
  ただし、ノロウイルスを含むウイルス性の感染性胃腸炎(嘔吐・下痢症)は、例年11月から3月まで多いので、簡単な予防対策は当面しておいたほうがよい。予防に関する知識も有用だ。ノロウイルス感染症とその対応・予防については、わかりやすい解説が感染症情報センター (2006/12/25 改訂)からでているので、参考にしてほしい。また、医療機関はこれを参考にパンフレットなど作ってはいかがだろう。イラストは別だが、医学情報は出典を明らかにすれば、著作権はないし、またそういった利用は感染症情報センターにとっても喜ばしいことであると思う。
ノロウイルス感染症 (感染症情報センター )
ノロウイルス感染症とその対応・予防(家庭等一般の方々へ)(感染症情報センター 2006/12/25 改訂)
ノロウイルス感染症とその対応・予防(医療従事者・施設スタッフ用)(感染症情報センター 2006/12/18 改訂)