【スポーツ中毒の自己診断(案)】
公開日2006.03.26 更新日2006.04.08
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スポーツ中毒診断の問診表(Schack博士案)です。質問1〜5に答えてください。
質問1:ことスポーツがかかわると、家族も友人もどうでもよくなる
全く該当しない
やや該当する
完全に該当する
質問2:2日間トレーニングしないと不快に感じる
全く該当しない
やや該当する
完全に該当する
質問3:
時々、トレーニングしないと気がすまなくなる
全く該当しない
やや該当する
完全に該当する
質問4:
トレーニングできないと禁断症状が現れる
全く該当しない
やや該当する
完全に該当する
質問5:
1日でもトレーニングしないなど考えられない
全く該当しない
やや該当する
完全に該当する
質問6:具合が悪くてもスポーツをする
全く該当しない
やや該当する
完全に該当する
質問7:
スポーツは私の生活そのものだ
全く該当しない
やや該当する
完全に該当する
質問8:
楽しくなくてもスポーツをする
全く該当しない
やや該当する
完全に該当する
質問9:
これほどスポーツをしていることを他者に隠すことがある
全く該当しない
やや該当する
完全に該当する
全く該当しない(1点) 、やや該当する(2点)、完全に該当する(3点)
印を付けた点数を加算評価する
1-10点: スポーツ中毒ではない
11-18点 : スポーツ依存性が高い
19-22点 : ややスポーツ中毒である
23-27点 : スポーツ中毒である
【スポーツ中毒の解説】
スポーツをしないと気がすまないといった「スポーツ中毒」と呼ばれる精神状態がある。なによりもスポーツを優先したり、疲労や痛みがあるのに、トレーニングを続ける。スポーツ中毒の診断法および治療方針について、Thomas Schack博士(ドイツ・スポーツ大学心理学研究所(ケルン)のスポーツ心理専門医)の話をまとめた。
●スポーツ中毒の原因
スポーツマンは"より早く、より強く、より美しく"を目指し、その目標に近付こうと努力することで脳内に"エンドルフィン"が放出される。脳内エンドルフィンは、快感や幸福感を与える。しかし、スポーツ中毒はこのエンドルフィンだけのせいではない。その最大の原因は、スポーツにより自分の掲げた目標が達成され、
自己の能力を証明できるという精神性
にあるという。30歳代後半から50歳までの男性では、仕事での出世が絶たれ、能力の低下を実感する者が多い。そこで、やればやるだけ成果が得られるスポーツに魅せられる。一方、20歳代前半の女性では、望み通りの体重と理想的な体型を手に入れようとスポーツをする場合が多く、スポーツ中毒になるリスクが高いという。この場合、拒食症を併発することもある。
●診断基準に統一されたものはない
スポーツをしないと24-36時間で禁断症状が現れる場合は、明らかにスポーツ中毒である。しかし、スポーツ中毒の診断法について、統一された基準はない。スポーツが現在の身体状況からして、過激で障害が生じることをよく知っていても、やめられない。また、スポーツ中毒者の多くは、やりすぎていることを自らよくわかっている。
Schack博士によると、定期的にジョギングをする人の5-7%がこのような重症患者で、軽症患者はこれよりもはるかに多い。軽症患者ではスポーツヘの依存的感情があるものの、自分の意思で休憩を取ることもできる。この場合、身体に障害が生じることはまれである。
●確立した治療方法はない
今のところスポーツ中毒を治療する統一的な治療指針あるいはトレーニング・プログラムはない。最も重要なのは、「
患者にその目標を達成できる運動能力がまだあるのか
」ということである。健康的なスポーツとはどのようなものかを再認識できるように指導する。
参考資料
●Medical tribune2005.1.22号 p3:「スポーツ中毒」の診断に統一基準を