【症状による心不全重症度の評価/身体活動能力質問表:篠原らによる】

公開日 2005.04.20 修正日 2006.02.14  メニューを表示する  メニューを隠す


あなたの症状について質問に答えてください。
すこしでもつらければ「つらい」でお答え下さい。

質問1:夜、楽に眠れますか? 
わからない はい つらい (1 MET以下)
「つらい」場合はNYHA IV相当

質問2:横になっていると楽ですか?
わからない はい つらい (1 MET以下)
「つらい」場合はNYHA IV相当

質問3 :一人で食事や洗面ができますか?
わからない はい つらい (1.6 METs)
「つらい」場合はNYHA IV相当

質問4:トイレは一人で楽にできますか?
わからない はい つらい (2 METs)
「つらい」場合はNYHA IV相当

質問5:着替えが一人で楽にできますか?
わからない はい つらい (2 METs)
「つらい」場合はNYHA IV相当

質問6:炊事や掃除ができますか?
わからない はい つらい (2-3 METs)
「つらい」場合はNYHA IV相当

質問7:自分でフトンが敷けますか?
わからない はい つらい (2-3 METs)
「つらい」場合はNYHA III相当

質問8:ぞうきんがけができますか?
わからない はい つらい (3-4 METs)
「つらい」場合はNYHA III相当

質問9:シャワーを浴びても平気ですか?
わからない はい つらい (3-4 METs)
「つらい」場合はNYHA III相当

質問10:ラジオ体操をしても平気ですか?
わからない はい つらい (3-4 METs)
「つらい」場合はNYHA III相当

質問11:健康な人と同じ速度で平地を100〜200m歩いても平気ですか?
わからない はい つらい (3-4 METs)
「つらい」場合はNYHA III相当

質問12:庭いじり(軽い草むしり)をしても平気ですか?
わからない はい つらい (4 METs)
「つらい」場合はNYHA III相当

質問13:一人で風呂に入れますか?
わからない はい つらい (4-5 METs)
「つらい」場合はNYHA III相当

質問14:健康な人と同じ速度で2階まであがっても平気ですか?
わからない はい つらい (5-6 METs)
「つらい」場合はNYHA III相当

質問15:軽い農作業(庭堀りなど)はできますか? 
わからない はい つらい (5-7 MET)
「つらい」場合はNYHA II相当
質問16:平地を急いで200m歩いても平気ですか? 
わからない はい つらい (6-7 MET)
「つらい」場合はNYHA II相当
質問17:雪かきはできますか? 
わからない はい つらい (6-7 MET)
「つらい」場合はNYHA II相当
質問18:テニス(または卓球)をしても平気ですか? 
わからない はい つらい (6-7MET)
「つらい」場合はNYHA II相当
質問19:ジョギング(時速8Km程度)を300-400mしても平気ですか? 
わからない はい つらい (7-8 MET以上)
「つらい」場合はNYHA II相当
質問20:水泳をしても平気ですか? 
わからない はい つらい (7-8 METs以上)
「つらい」場合はNYHA II相当
質問21:縄跳びをしても平気ですか? 
わからない はい つらい (8METs以上)
「つらい」場合はNYHA II相当

【判定】
  心不全は、心臓病などの原因により、心臓の働きが低下した状態またはそれによる全身の状態をいいます。心臓病の疾患名では有りません。あらゆる心臓病の末期像は心不全になります。高血圧が原因となる高血圧性心疾患と虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)で心不全の原因心疾患の8割以上を占めます。心不全の重症度の評価として有名なものが自覚症状によるNYHA心機能分類です。しかし、NYHA心機能分類は大雑把で、客観性に欠けるため、上記のような問診表を作成した先生がいます。
2006年2月14日誤記修正



ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類
クラスI 心疾患を有するが、身体活動に制限はなく、通常の身体活動では疲労、動悸、呼吸困難、狭心痛を生じない。
クラスII 心疾患のために、身体活動に少しの制限はあるが、安静又は通常の身体活動では楽に生活できる。通常の身体活動よりも強い活動で疲労、動悸、呼吸困難、狭心痛を生ずる。
クラスIII 身体活動に強い制限のある患者であるが、安静にすると楽に生活できる。通常の身体活動で疲労、動悸、呼吸困難、狭心痛を生ずる。
クラスVI 心疾患を有し、いかなる身体活動をするときにも苦痛を伴う。心不全、狭心症徴候が安静時にも認められるときがある。いかなる身体的活動によっても苦痛が増強する。
出典:American Medical Association:Guides to the Evaluation of Permanent Impairment,AMApress,2000。上記の内容は、その後NYHAの分類が変更されたが、古い分類が現在もよく使われる。

2006年2月14日追記