【肺年齢の評価】
肺の健康状態評価(閉塞性肺疾患の早期発見と指導のために)
日本呼吸器学会推奨の指標です。
公開日 2008.03.15 更新日 2008.03.19  メニューを表示する  メニューを隠す 

対象は19歳〜90歳の日本人です。 あなたの身長と肺機能検査の結果(一秒量)を入力してください。
『1秒量』の代わりに、『努力性肺活量(FVC)』と1秒率(FEV1.0%)』から評価する場合はこちらをクリックしてください。
 ● 年齢 歳   ● 身長 cm   ●一秒量とは、できるだけ大きく息を吸った後、思いっきり速く息を最後まで吐き出したときの最初の一秒間に吐き出した量です。
●一秒率とは、同様な方法で一秒量を、吐き出だした総量(努力性肺活量)で割った割合です。
※1秒率(単位は%)ではありません。
 ●FEV1.0( 1秒量) ※ cc       
上記の4つの枠に半角文字で数字を入力してください。
 あなたが男性なら肺年齢は 歳です。 実年齢に比べ 歳上です(四捨五入)。
 あなたが女性なら肺年齢は 歳です。 実年齢に比べ 歳上です (四捨五入)。
●肺年齢の基本な考え方
「肺年齢」とは一秒間に吐ける息の量(一秒量)から、標準の方に比べて自分の呼吸機能がどの程度であるかを理解して頂くための指標です。一秒量の標準値は、性、年齢、身長によって異なり、20歳代をピークに加齢とともに減少します。一般の人には理解しにくい呼吸機能検査を、「肺年齢」という表現で置き換えることによって、 自覚症状がまだでてない早期の呼吸器疾患(主にCOPD)患者に自覚を促し、肺疾患を予防、特に禁煙指導の向上を図るのが目的です。
●肺の生活習慣病COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは
 日本では40歳以上の約10人に一人が慢性閉塞性肺疾患(COPD)と推定されています。
肺への空気の通りが慢性的に悪くなり、ゆっくりと進行していく疾患です。これまでは、肺気腫や慢性気管支炎という病名の方が一般的でした。近年はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という名称が一般的です。
  進行すると、咳、痰、息切れなどの症状がでますが、初期の段階では自覚症状が少なく、早期診断には呼吸機能検査が不可欠です。なお、胸部X線検査では、COPDの早期発見は困難です。
●禁煙のすすめ 
 喫煙は多くの癌の原因として有名です。とくに、喫煙で肺癌が4〜5倍に増えることは有名です。また、運良く癌にならなくても、「肺の破壊」を起こし、徐々に慢性閉塞性肺疾患(COPD)に近づいていきます。COPDの主な原因は喫煙です。タバコの煙や微小な粒子によって、慢性的な炎症が気管支や肺胞におこり、肺胞が破壊されます。破壊が進むと、咳、痰、息切れなどの症状を自覚するようになりますが、破壊されてしまった肺胞は治療しても元に戻りません。現在症状がなくても、喫煙習慣は非常に高いリスクなのです。
●「肺年齢」の算出方法
肺機能検査(スパイロメーター)によって測定した一秒量(FEV1)と身長を、日本呼吸器学会(JRS)肺生理専門委員会の「一秒量の標準回帰式(18〜95歳)」(2001)に代入して肺年齢を算出します。さらに一秒率および一秒量の予測値に対する割合から5つのグループに分類し、肺年齢とコメントによって現在の肺の健康状態を知る目安を提供しています。

【肺年齢計算式】(18〜95歳)
 男性:肺年齢 = (0.036×身長(cm) - 1.178 - FEV1(L))/0.028
 女性:肺年齢 = (0.022×身長(cm) - 0.005 - FEV1(L))/0.022

参考文献(相澤 久道、工藤 翔二:Prog.Med.27:2418-2423,2007) 
●肺年齢評価(肺機能検査)とコメント(例)
評価コメント
詳細コメント
スパイロメトリーによる検査結果
異常なし 同性同年代の平均値に比べて肺機能検査の結果は良好。肺疾患の可能性は低い。  1秒率が70%以上で、
  %1秒量が100%以上
境界領域
(現時点では異常なし)
同性同年代の平均値に比べ肺機能検査の結果はやや悪い。今後も呼吸機能検査を続ける必要がある。 1秒率が70%以上で、
  %1秒量が80%以上100%未満
肺疾患の疑い
(要精検)
同性同年代の平均値に比べて肺機能検査の結果は悪い。COPDの可能性は低いが、他の肺疾患の疑いもある。専門医の診察を勧める。 1秒率が70%以上で、
  %1秒量が80%未満
COPDの疑い
(要経過観察/生活改善)
軽症のCOPDの疑いあり。自覚症状がなくても放置すると重症化する恐れがある。専門医の診察を勧める。 1秒率が70%未満で、
  %1秒量が80%以上
COPDの疑い
(要医療/精検)
中等症以上のCOPDの疑いあり。専門医の診察が必要。 1秒率が70%未満で、
  %1秒量が80%未満
「相澤 久道、工藤 翔二:Prog.Med.27:2418-2423,2007」を改変
参考資料:グラクソスミスライン株式会社提供資料より
編集:日本呼吸器学会 委員長 相澤 久道ほか