【男性更年期障害の質問票】
札幌大学 伊藤直樹氏資料より作成 |
【男性更年期障害の解説】
女性の更年期障害は女性ホルモンが急激に減少することで生じます。一方、男性更年期障害は男性ホルモン(テストステロン)の減少が引き金になっていると考えられています。ただし、男性ホルモンの減少の程度は個人差が大きく、また女性ほど急激にホルモンの減少が生じないために、通常症状も軽いことが多い。血液中の男性ホルモンであるテストステロンの基準値(総テストステロン:4.53
ng/ml、フリーテストステロン:FT:15.7pg/ml、聖マリアンナ医大の岩本晃明教授)もあるが、あくまでも目安である。テストステロンの値と症状の重症度は関係しない。以前からどの程度減少したかが問題になる。
男性更年期障害の症状として、ほてりや冷え、うつ症状や不眠、筋力の衰えや体のだるさ、性欲低下や朝立ちの回数減少などの症状が現れる。神経質でまじめ、責任感や競争心が強く、几帳面またはせっかちな人は男性更年期障害を発症しやすいと言われている。
治療としては、一般血液検査や男性ホルモン(テストステロン)の測定後に、男性ホルモン尾影響を受ける前立腺に病気が無いことを確認した後、2−3週間に1回のテストステロン補充療法(注射)が一般に行われている。海外では貼り薬などもあるようです。また、対処療法として漢方薬や抗不安薬を使うこともあります。
関西医科大学泌尿器科男性更年期外来での治療実績 テストステロン補充療法の有効性と治療前テストステロン値の関係 |
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2002年1月以来、約380名の患者様を診療し、約180名に男性ホルモン補充療法を行っている。 | |||
評価判定
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(1)総テストステロン
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有効率
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補充療法の有効性 |
317ng/dl未満 | 317ng/dl以上 | 合計 |
明らかに有効 |
27(69%) | 8(27%) | 35(51%) |
無効、なんともいえない |
22(73%) | 12(31%) | 34(49%) |
計
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39(100%) | 30(100%) | 69(100%) |
評価判定
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(2)フリーテストステロン
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有効率
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補充療法の有効性 | 8.8pg/ml未満 | 8.8pg/ml以上 | 合計 |
明らかに有効 |
26(62%) | 9(33%) | 35(51%) |
無効、なんともいえない |
16(38%) | 18(67%) | 34(49%) |
計
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42(100%) | 27(100%) | 69(100%) |