【嫌われる医師のタイプ判定=B】
心理学者・富田たかしによる解説 公開日 2006.4.14 更新日 2006.04.14
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 富田氏によれば、嫌われる言動は大きく分けると、『表現力』『傾聴力』『責任力』の3つの『不足』が引き金になっているという。チェックリストは、このどれが不足しているかを調べるものである。「医師を含めたあらゆる専門家が陥りやすい落とし穴は、『自分の専門分野さえできていればいい』と考え、この3つをおろそかにしてしまうこと」と指摘している。


                  【Bのチェックが多い人】
●判定●
 このタイプの人は、傾聴力が不足している。傾聴力とは、患者や看護師、他医の意見にしっかりと耳を傾けられる余裕をいう。

 人の気持ちをくみ取ることができない人は、ついつい自分のぺ一スで物事を理解してしまい、相手を置き去りにする傾向にある。こういう人は、仮に嫌われてもそれに気付かないまま過ごしかねない。
●対策●
 そういう人は、表面的でもいいから、まず共感することから始めてください。表面的な感情であっても、それを装うことによって、その人の心理状態、生理状態に変わってくることが一般的に知られている。
  あるいは、恋愛をするのもいい方法です。自分がどんな人間で、相手をどう思っているかをうまく表現できなければ、恋愛は発展しません。また、そもそも人の意見に耳を傾けないという人には、ある種の劣等感があると考えられます。医師は優秀な人たちですが、優秀な人に囲まれている以上、劣等感はあって当然です。
 劣等感はなかなか消せませんが、その「差」を見て見ぬふりをするのが最も問題です。他医の意見に耳を貸さない、他人を見下す、知ったかぶりをする、など自分の立場を守ろうとする行動がそれに該当します。下の立場の人の話も傾聴できる余裕が、「差」を取り戻すための第一歩となり、失地回復に最も効果的です。
参考資料:日経メディカル2006年4月号p56-57「心理学者・富田たかしが語る『きらわれる医師のタイプ』」 より