■急性心筋梗塞:右冠動脈の1番閉塞(側副血行あり)による心エコー所見■
 
公開日2004.04.28 TOPへ  症例の解説へ   
左室の輪切り断面:腱索レベル
解説
左室の短軸断面(輪切り断面):腱索(けんさく)レベル 

-- 右室自由壁後部が動いていない+左室下壁の動きが低下 --
 左室の腱索レベルの輪切り断面です。上の三角形の心臓腔が右室で、下の丸い心臓腔が左室です。心室中隔後部(右室との接点:紫色で心筋の損傷を示している部分)はわずかに壁運動の低下が見られました。また、右室の後部(紫色で心筋の損傷を示している部分)は明らかに壁運動が消失していました。この検査の1時間後には左室壁運動は正常化していましたが、右室壁の運動低下は範囲が狭くなったものの残っていました。
 慢性期の壁運動は全く正常化していました。
 拡張期の左室の壁厚は12mm(正常10-9mm)と厚くなっています。左室の内径は拡張期42mm、収縮期32mmと拡張期の内径が体格のわりに小さめです(正常は平均的な体格のひとで50mmくらい)。これは、高血圧による左室肥大(求心性左室肥大)によるものです。
【乳頭筋レベルと心尖部レベルの短軸断面】
  左室肥大の形態は、乳頭筋レベルや心尖部レベルの短軸断面でも同じような所見です。右室と左室の壁運動の異常は見られませんでした。
【左室の長軸断面】
 長軸断面では左室壁運動の異常は認められませんでした。

【断面部位の解説】
上の断面は左図の左端の「左室腱索レベル断面」のイラストです。矢印は見る方向を示します。
左室腱索レベル断面
左室乳頭筋レベル断面
左室心尖部レベル断面
Copyright (C) 2004 Maeda Junkanki Naika. All Rights Reserved.