【新聞・雑誌記事】 公開日2007.06.04 更新日2007.06.14  HOMEへ メニューを隠す    掲載記事一覧へ
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サンデー山口2007年6月02日号 
「動脈硬化は血液中のコレステロールが高いために起こる」というのは間違い。
 健全な動脈では、血液中のコレステロールが高くても、変性したコレステロールが血管壁に沈着するアテローム性動脈硬化起きにくい。
むしろ、血管を傷つける(正確には血管内膜を傷つける) 、高血圧、低HDLコレステロール血症、糖尿病、喫煙の危険因子の排除の方が、
血液中の総コレステロール高値や高LDLコレステロール血症よりも遙かに大事である。
 にも関わらず、日本では動脈硬化学会の都合や関連企業の利益誘導のために、医師や一般人に真実が知らされていない。
新ガイドラインも製薬メーカーの意向に合わせて、薬物療法を誘導する基準となっている。
  米国のガイドラインは、5年前から「総コレステロール値は診療に使うべきではない」、「LDLコレステロールの目標値は合併症がない場合、
140mg/dl以下だが、薬物療法開始の目安は180mg/dl以上で、しかも低リスクの人を薬物療法した方がよいかどうか、まだ確立していない。」と言っている。
 日本の新らしい動脈硬化診療ガイドラインでは140mg/dl以上を、疾病予防効果がほとんど期待できない場合も薬物療法へと誘導するような記載となっている。