■ 陳旧性心筋梗塞の左室の動き ■        公開日2003.04.01   HOME
 

■解説■(イメージイラスト)
陳旧性性心筋梗塞(前壁中隔心筋梗塞)

 急性心筋梗塞の治療が遅れると,局所的な心筋の破壊(心筋壊死しんきんえし)が起こり,約1ヶ月経つと後に線維組織に置き換わります.このとき壊死部だけでなく,健常心筋部分も伸展され,左室の拡大が起こります.これを左室の再構築と呼びます.左室の再構築が起こると,心臓の機能が障害され,予後が悪くなります.

【心筋の線維化】
破壊された心筋は,1ヶ月も経つと強固な線維組織に置き換わります(白い部分).

【左室の形態】
  壊死(えし)部も健常部分も伸展され,左室は拡大してます. 一度拡大した線維化部分は,永久に広がったままです.動かなくなった心臓壁が大きいと,時々そこに血液の塊が付着することがあります.

【左室壁の動き】
 心室中隔の中央部から心尖部にかけて,収縮期の動きが消失しています.また,同部の壁厚は収縮期にも厚くなりません.

正常心,急性心筋梗塞,陳旧性心筋梗塞の3つを同時に見れます.
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